カタコンブ 地下墓地の秘密
2022年製作/84分/フランス・ベルギー合作
原題または英題:Deep Fear
スタッフ・キャスト
- 監督
- グレゴリー・ビギン
- 脚本
- ニコラ・タキアン
- 撮影
- イバン・コーネ
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ソフィア・ルサーフル
-
ビクトール・ムーテレ
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カシム・ミースターズ
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ジョゼフ・オリベネス
2022年製作/84分/フランス・ベルギー合作
原題または英題:Deep Fear
ソフィア・ルサーフル
ビクトール・ムーテレ
カシム・ミースターズ
ジョゼフ・オリベネス
舞台は1991年のフランス、兵役前の友人を送り出す一夜の冒険として選ばれたのは、地下墓地(カタコンベ)探索。しかし彼らを待ち受けていたのは、想像を超える恐怖体験…というフランス製地下ホラー。
「The Descent」シリーズや「As Above, So Below」を彷彿とさせる題材ですが、それらを越える新鮮さや尖った演出は見受けられませんでした。「別の施設に迷い込む」という展開はあるのですが、その先も結局他の映画で見た内容って感じです
とはいえ、「閉所・暗所」「突如現れる地下の大広間」「本来入ってはいけない場所」といった、ホラーや冒険心を擽る要素はしっかりと押さえており、一定のスリルは味わえます。
ややチープなCGには苦笑いものですが、撮影は実際のカタコンベ(※ただしベルギー)で行われており、背景美術の「ヤベェ場所感」が良い味出してますね。
尺も長すぎず、ダレる前に終わる親切設計
問題は終盤。王道をなぞりながらも自滅気味に失速し、グロ含むホラー描写も思ったより控えめ。視覚的インパクトを期待すると肩透かしを食らうでしょう(☆-1)。
ロケーションの妙もあるので、地下ホラー好きなら一定ラインの楽しさは得られると思いますが、期待せずに観る事は前提でしょうね
以下【ネタバレ】含む感想
リアルにヤバい、ネオナチ半グレのスキンヘッド集団から逃げ回った先はなんと、ナチス時代の軍用遮蔽壕!
しかも軍用犬と共に終戦を知らないモノホンナチがいるぞ、ひぇ~!という既視感な展開と、CGワンちゃんのチープさ(昔のゲームみたいw)からか、この辺り以降から緊張感が途切れだしてきます。
さらに、ネオナチvs本物ナチという面白くなりそうな構図が、たった十秒程のギャグカットで処理されるという勿体なさ。
唐突なコメディレリーフにより、これまで積み重ねたスリルも消え去りましたし、せっかく類似作との差別化ができそうな点を自ら潰すのは残念でした。
(模倣vs本物。現代vs過去という歴史的対立構造はもう少し見たかった。地下×ナチスというメインプロット自体に何らかのメタファーがありそうなだけに…)
そして「おしっこ強要」シーン。
ソニアは仲間のヘンリーに「奴らの服におしっこしろ」と命じますが、恐らく、ソニアが他人の尊厳を使ってでも恐怖の支配に抗おうとする心の成長(変化)シーンの筈ですよね…?
これがそこそこ時間かけた割にどのフラグにも繋がりません。
・ソニアが内なる攻撃性を高めた事でラストの敵に止めをさせた→じゃあラスト直前傍観してないでヘンリーに加勢してやれよ
・ヘンリーがソニアに対して不信感→特に仲間割れ描写なし
・スキンヘッド集団からの逆襲フラグ→回収キタ!と思った瞬間先述のギャグシーンに直行
・サービスシーン→ソニアは脱ぎませんし、ヘンリーのも見えません!
何か見落としたかな?監督の趣味…?
(白人社会で生きる有色人種の女性視点とかも深読みしましたが、やはり繋がらず)
ラストもソニアがどうなったのか曖昧に終了。滑って落ちただけなのか、生き残りの犬にやられたのかすら不明で、これではコメディとしてもホラーとしても中途半端。勝手に観客が拾ってくれればいいという甘えにも見えます。
結末を観客に委ねるのは、それ相応のシナリオありきです
総括
王道をなぞる事は構わないけど、せっかく築いた緊張感を安易なコメディ演出(という名の描写カット)で茶番にしてしまうのは好ましくない(☆-3)。
本物ロケ地で雰囲気作りに力を入れていた(☆+1)だけに残念でした。
とはいえ、イケメン置き去りシーン位までは割と楽しめたので、地下ホラー欠乏症の方なら観ておいて損はないでしょう。
もし、すっごい楽しめた!と言う方は「Dead Snow」シリーズ勧めときます