「巨大医療商売の闇。多くの人にとって顔の無い人間達の物語」キラーナース その狂気を追跡する コバヤシマルさんの映画レビュー(感想・評価)
巨大医療商売の闇。多くの人にとって顔の無い人間達の物語
内容は、2003年に起きたアメリカ最大大量殺人と評される犯人チャールズ・カレンの時間内容と公判や供述に基づくドキュメンタリー映画。印象的な言葉は、最後にグッドナースの原作者の言葉が重い『利益を追求する民間医療機関は医療機関の目的に反する行いをした、患者を守り治療を提供する事だ。それを果たさず見返りを得ている。患者よりも施設を優先する事に成功したからだ』これが社会に蔓延る深い病巣だと原作者は伝えたかったのかもしれない。『強い思いがあった。目の前の苦しみを終わらせなければと、人がモノの様に扱われ死んでいくのを見ているのが苦しかった』供述でチャールズが語った犯行動機。でも全く症状に、関係ない人まで殺し、個人の身勝手な欲望の為に殺された命はかえることはない。かなり錯乱している精神状態が読み取れ辛かった。印象的な場面は、元同僚のチャールズを内部告発した言葉『誰も聞かないし誰も彼を止めてくれない』悲痛な叫びが非常に苦しい。収益の激減を恐れ病院は見て見ぬ振りをし続けた結果取り返しのつかない事になった。劇中で流れる曲が印象的だ。チャールズに殺された患者が口ずさむまで回復してきた時の歌『Your My sunshine』マイナー調のメロディーが歌詞の対比と相まって非常にやらせない感情にさせる。日本にも類似事件として2016年大口病院連続点滴中毒死事件というものもある男性3人殺害推定死者数20人とも言われてる。この様な医療殺人は個人の問題だけで無く様々な問題を現在の我々に投げ掛けていると感じる。最後に、この問題に対しチャールズの言葉を借りて言えば私達は『最後まで戦いたい…』となるのだろうか?!
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