「良い意味で裏切られたすごい映画を僕は観た」TOCKA タスカー kuroroさんの映画レビュー(感想・評価)
良い意味で裏切られたすごい映画を僕は観た
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不思議な吸引力のある映画だった。
主人公・章二は、私を殺してくれませんか、声をかけていく。
自殺サイトに協力者を求めて、早紀と出会う。
この設定にのれなかったが、章二が計画通りに死ねなかったあたりから、転調し、俄然面白くなり、一気に物語の中へと引きずりこまれた。
冴えないおじさん・章二役の金子清文が愛おしくなり、運命を受け止めていく早紀役の菜葉菜の圧巻の演技に魅せられた。
究極のマイナス要素が、いつの間にか、登場人物だけでなく、作品の世界観だけでなく、観客の気持ちさえも、肯定的に受け止めている感覚は不思議だった。
死そのものをこんなにも切なくも肯定的に体感出来る映像作品は他にあるのだろうか。
監督の力、役者の力、スタッフの力が結集しないと、この世界観は作れないと思う。
百聞は一見に如かず。是非映画館で観て頂きたい。
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