「全盲の疑似体験が実感できる画面になっています!」ブラインドマン 小久保達さんの映画レビュー(感想・評価)
全盲の疑似体験が実感できる画面になっています!
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フィンランド映画祭の初日に観ました。
❶全盲で下半身不随の中年男性が、介助無しで出かけた先で物取りに襲われ、どこかわからない場所に拉致され、キャッシュカードを取られ、口座番号を言わされます。全盲では、暴漢の姿も連れてこられた場所の見当も全く判りません。
❷聴覚障害者を主役にした映画では「聞こえにくい状態を体験させる場面」は時々見ます。本作品は観客に「視覚障害の恐怖体験を実感させる」ために、主役の顔のアップ以外は画面全体がピンボケで、しかもそれが映画の最初から最後まで全編を占めていますです。
❸撮影場所の映像が全て不鮮明で、主人公以外の家族や友人、自宅に来るヘルパーなどは全員声だけの出演なので「極めて低予算で製作された作品だそうです。それでいて極めて見応えのある力作でした。
❹緑内障が進行中の私にとっては「失明してからのスマホの活用方法」は参考になりました。
❺タイトルは、「まだ眼が見えている時に買った映画『タイタニック』のDVDを実はまだ観ていないまま自分のDVDコレクションに残している男の話です」という意味です。
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