「忘れちゃいけないものがある!強くて頼もしい〝特送〟のプロ」パーフェクト・ドライバー 成功確率100%の女 humさんの映画レビュー(感想・評価)
忘れちゃいけないものがある!強くて頼もしい〝特送〟のプロ
普通じゃ送れないブツを届ける〝特送〟
ウナが担当する今回の仕事は、内部告発によりバレて追われる賭博ブローカーの父とその息子の逃亡の送り…
嫌な予感がぷんぷんのやつだ
そもそも、なぜそんなリスクが伴うような仕事を?
と、思わせつつも、さっそく〝お届け物〟との待ち合わシーン、あぁ、もう不穏な状況…
息子と逃亡資金入りリュック、大金がある貸金庫の鍵を守るために父はおとりになり追手の前に立ち塞がる
案の定、猛烈なカーチェイスから始まる命懸けの〝特送〟が大展開し出す
ウナとソウォン2人はなんとか逃げ切るがはぐれた父が殺されてしまったこと知り泣きやまぬソウォン
いよいよ〝お荷物が重くなりすぎたウナは、ボスの指示を仰ぎ意図せずソウォンを人身ブローカーに渡してしまう
しかし、はたとそれに気づきギリギリ連れ戻すことに成功する
とっさに勘を働かせたウナは、罪なきこどもが翻弄されてしまう境遇の体験者だった
幼少期に、脱北しその途中に家族を失ったウナは父子に会った時から、うすうす昔の自分を幼いソウォンに重ねてみていたはず
当時、相当な思いを経験したのだとわかる
ソウォンを奪還したり実母を探しに行ったりしながら使命感は自分を投影した過去の記憶により行動力を増していく
しかし、ウナを調査している国家情報院が警察に情報提供したりして、凄腕の特送が一筋縄ではいかない〝もつれよう〟なのだ
ついには育ての父のような恩人でもあるボスの殺害を目撃したウナの怒りが炸裂、黙るウナではなかった
追手の黒幕で大金をせしめようとする悪徳警官ギョンピンとの激しいバトルへまっしぐらで、いや〜もう大変
観ていて轢かれそうになるようなど迫力カメラアングル、狭い路地をがんがん駆け抜ける間に両肩に力がはいるスピード&スリル、助手席に片手をかけてびゅんびゅんバックする爽快さ、ビタっととめてくる痛快さ、凝縮されたような運転の技が炸裂するのだが生身のアクションもウナったら凄かった
そこに、鼓動のリズムをあげるアップテンポなサウンド、青白く薄暗い光に黄色い油をさしたような映像、目を覆う流血とギラギラな汗のしぶき、言葉とからだの暴力、それらが創り出す破壊の音、音、音…
凄まじく派手なアクションシーンに表情を変えないクールなウナの両極端さが痺れさす
そう、何度もあるピンチの嵐だがウナのポーカーフェイスがいつも独特な安心感を手招きしてくるから不思議
散々のバトルの末、えぇ?海底にぃ??
とおもいきや。。。視覚に入ったあのキーホルダー
忘れ物の多いウナを心配したソウォンのグッジョブ…
一回一緒に沈んだ私も浮き上がって深呼吸できた
ぷっふぁ〜
緻密に用意されたハラハラ場面は息つく暇なしだが
たびたび挟まれてくるほっこり場面はすてきだ
落差にやられるせいか、隠し味が発揮されて印象的なのだろう
例えば「特送と荷物」の関係性が変わり絆を深くする車中の会話だ
助手席でサングラスをかけだしてソウォンが質問する
ウナにとっては小さな弟のようなソウォンが答えに不満気なしぐさをするのをウナが可愛くおもっていてほほえましい
そしてウナと飼い猫のシーン
ウナの柔らかい視線や雰囲気がごくふつうの、激しいアクションとは無縁なところ
そして留守中の世話をちゃんと仲間にたのむ姿
共通するのは小さき者、弱き者へのやさしさ、おもいやりと責任感
忘れちゃいけないものをしっかりもっているのは経験が生きているからかもしれない
強くて頼もしい〝特送のプロ〟ウナの魅力をアクセル全開で演じたパク・ソダムに拍手!
大画面の劇場スクリーンで醍醐味を味わったあとはくれぐれも安全運転で帰りましょう〜
修正済み2回