かわいいオリカのレビュー・感想・評価
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オーレンカ
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原作はチェーホフ『可愛い女』 ロシア文学とピンク映画のコラボといった具合だが、中々の厳しさを垣間見た作品であった 求めても詮無き事だが、やはりセクシー女優に演技を求めるのは酷なのであろう 勿論濡れ場もあくまで演技であるから、主戦場のAVでのそれとは異なり、自然感は削がれている 何より主演のお嬢さんがこの突拍子もない役柄を理解出来ているのだろうかと訝しがる演技が随所に観られる そんな状況だと三文芝居としか映らない 特にラスト、四人目にあたる"息子"に至っては、今迄の恋愛とは違う、母性としての疑似近親相姦としての脚色を色濃くすべきであったのではないかと感じた そこを濡れ場で強調させることで、実家に里帰りする息子に縋る女の、初めての前向きな意志とその意志の恥ずかしさが演出されて、初めてこの主役の"可愛さ"と"情けなさ"の同居が観客に伝わるのではないだろうと思うのだが・・・
文学とエロは、切っても切れない人間の性(サガ)を紡ぐ表現なのであり、それに於いて、今作はプロットとしては素晴らしいと思うので、もう少し丁寧さが欲しい、そんな惜しい内容であった
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