「「邪悪」に深みがない」ハロウィン THE END Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
「邪悪」に深みがない
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第1作は観ておらず、第2作の「ハロウィンキルズ」は観ています。
ローリー・ストロードの呟く「純粋な邪悪」と「継承される」の言葉には、性悪説の運命的な迫力を感じたものの、やはりマイケル・マイヤーズには最初の殺害のキッカケがあって、更に殺りくを止められなくなった第2のトリガーもあったと想定したくなる。最初の殺人は姉殺しだったようだし、この第3作で明かされる真相があって欲しかった。
そう思う一番の理由は、真実を語ることを禁じられたような、あのマスクの表情! 見れば見るほど、物悲しげで、かつ衝動を抑えているようなマスクに、ストーリーが追いついていなかったと感じました。生きている人間を見ると殺したくなると言う力技だけでは、保たなかったと思います。
いや人間は結局、そんな生き物なんだと感じさせるだけの「純粋な邪悪」のエピソードの積み重ねもないように思えたし。
そもそも「純粋な邪悪」の存在が判っていながら、ハドンフィールドでハロウィンを例年開催する理由も、改めて解釈して欲しかったと思う。
ただし。
マイケルは悪霊ではなく、限りなく不死身に近い人間だったから、徐々に衰弱はしていたのですね。それでコリー・カニンガムに次代の邪悪を託した。湿った、全てが病んだような薄暗い地下壕で、マイケルの怨念がコリーに伝播していくこの展開は、ホラーの深まりとして悪くなかった。
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