「自分の価値が変わる事で人は変わってしまう。」道草 なゆさんの映画レビュー(感想・評価)
自分の価値が変わる事で人は変わってしまう。
『轟音』片山享監督最新作。今回は俳優の芝居で物語を成立させていくスタイルの中にしっかりと明確なメッセージ性が存在し、それによってこれまでの監督作の中でもより開かれた映画として感じた。人の評価によってその人の人格すら変わっていくというのが面白い。また自分からアウトプットした一端を捉えても、それだけではその人の全容は到底理解できないという事。自分らしく楽しく生きるという事が自分の幸せになると当たり前のようで多くの人がなかなか実現できない事に気づかされる。俳優の佇まいでドラマを成立させながら、鑑賞する側へ作品を捉える余白を絶妙に残す秀逸な作品。
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