劇場公開日 2025年2月28日 PROMOTION

石門 : 特集

2025年2月25日更新

【映画.comも推す辛口批評サイト100%超高評価映画】
就活中に妊娠、卵子提供のバイト、親が賠償金で生活に
困窮…主人公は全てをチャラにする“お腹の子を提供”を
思いつく【壮絶&過酷なのになぜか共感する驚愕体験】

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痛烈な題材。なのに“共感”を呼び寄せる――とんでもない映画に脳天を撃ち抜かれた。



そんな驚きの映画体験を味わえるのが、2月28日に公開される「石門」だ。

辛口レビューサイトでは超高評価を叩き出し、ベネチア国際映画祭など歴史的な映画賞で激賞、および史上初の快挙を成し遂げている“要注目作”。スクリーンから1秒たりとも目を離してほしくない。それほどの“強い思い”を抱くようになった理由を、本記事で語っていく。


【予告編】わたしたちが歩む道の先には、石のように重い扉が立ちはだかる

【設定が強烈…しかも心に深く染み入る“共感”の物語】
この映画、極限まで良作を求める人へ“全力推し”の1本

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“良質な作品”を求めてやまない人へ、この映画を贈る。


[センセーショナルな設定]
20歳の女性リンの前に立ちはだかる壁、壁、壁 予期せぬ妊娠→両親の賠償問題が浮上→賠償金の代わりに“実子を提供”するという提案が……産むのか、産まないのか、それとも――
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主人公は、フライトアテンダントを目指す20歳の大学生・リン。彼女の前に立ちはだかるのは、分厚く、冷たい“壁”の数々。その一部を紹介しよう。


・就活中に望まぬ妊娠。このままでは予備校に通えず、夢への道が途絶えてしまう
・当の恋人はまるで“他人事”。「タイミングが悪い」と暗に中絶を促し……
・お金を稼ぐために、卵子提供ドナーを募る“闇の仕事”へ 売り物にされる“女性・性”
・両親が賠償金問題で困窮中 母はマルチ商法にドハマり

前進も後退もできない八方塞がり状態。そしてここからが凄い。状況を打破するため、リンが辿り着いたのが「お金の代わりに“実子”を賠償相手に提供する」というもの。彼女の選択と運命はどうなってしまうのか――。脈拍がじわじわと上昇していくような展開に、視線がクギ付けになるはず。


[観客の人生に殴り込みをかけ、深い“共感”へとつながるストーリー]
“何者”かになりたい就活中の戸惑い、唐突な妊娠への反応、自らを“売る”――壁で隔てられたような生活を送る主人公の姿に深く、深く共鳴する
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リンが“20代の等身大の女性”である点も見逃せない。ここが日本に住む多くの人の、深い“共感”を呼ぶ要素にもなっている。

「石門」というタイトルが示すのは、女性を取り巻く環境に存在する“打ち破りたくてもなかなか突破して先に進めない壁”のこと。つまり、彼女に起こることは、現代のあらゆる女性が抱えてしまうかもしれない問題に直結しているのだ。

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では、女性だけが共感できる物語? いや、そんなことはない。たとえば就職活動を通じて感じる“何者”かにならなければいけないという焦りと戸惑い(そして活躍・成功している同年代や先輩への劣等感)は、きっと誰もが経験したことのある感情。間違いを犯した親への言い難い感情と眼差しも、家族生活のなかで覚えがある人はいるはず。

この映画は観客の人生に介入し、さざ波を立て、心を根底から揺さぶっていくのだ。


[品質は“本物”、世界で圧倒的評価を獲得]
世界的映画祭でも上映され、歴史ある映画賞では“初の快挙”&辛口映画サイトでは“観客支持100%”を達成!
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静かに打ちのめされる」「マネーに翻弄される世界をシュールな喜劇として描きながら、そこに巻き込まれる恐怖を突きつける」――本作は世界で激賞に次ぐ激賞となっている。

“世界三大映画祭のひとつ”ベネチア国際映画祭に出品され、“中華圏のアカデミー賞”台北金馬獎では、日本資本の映画として初めて最優秀作品賞を受賞するという偉業を達成(しかも最優秀編集賞との2冠!)。

特筆すべきは、辛口映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で批評家スコア94%、そして一般観客のスコアが100%という超高評価を獲得していること(2024年12月14日時点)。目の肥えた批評家を唸らせ、一般の観客からも支持される――こんな稀有な映画は滅多にないので、絶対に見逃してほしくはないのだ。


【編集部レビュー】“人生”は予定通りには生きられない
“他人事”とは思えない苦難に感情がふつふつと沸く秀作

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ここからは映画.com編集部のレビューをお届け。鑑賞から暫く経った後も、本作のことが忘れられない様子。心に焼き付いた映画――つまり良作の証だ。

●筆者紹介

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●“壁”に囲まれ、気づけば前進も後退もできない“場所”へ “あの頃”を思い返し、リンの苦境に心が締め付けられていた
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最初に言っておきます。めちゃくちゃ好きな映画です。そしてここまで読んでくれた“あなた”のめちゃくちゃ好きな映画にもなり得ると思います。

リンの生きざまを、静かに“見つめていく”。固定されたカメラアングル。このトーンが大好きで、“現実”と映画世界の“フィクション”が地続きになっていくような感覚を覚えたほど。

鑑賞しながらリンと同様の“20歳”の頃を振り返りました。当時は「何かになりたい」という思いよりも「何かにならねばならない」という焦りの方が強くて。「知見を拡げねば」と各所に足を運ぶんですが、結局は収穫無し。だから、リンが英会話教室のパーティで“居場所がない”と感じるシーンなんてグサッときましたよ……。

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そこから多種多様の“壁”に包囲されて“身動きがとれなくなる”リン。自分だったらどうするだろう、彼女が傍にいたらなんと声をかけるだろう。そんな問答を繰り返すほど共感が反響し、増幅し、“自分に寄ってくる”物語に震えました。


●引いた視点で見ると可笑しさの滲む喜劇、間近で見ると苦痛がはびこる悲劇――ストーリーに配された明るさと暗さの塩梅が絶妙
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テーマ的に悲痛で鬱々としたテイスト? いえ、ニヤッとしちゃうユーモラスな要素もあるのが面白いんです。

たとえば、リンはドレスを着て宝飾店の店頭で延々と立つ“謎バイト”をやっていたり、卵子提供ドナーの仕事も妙にカジュアルに紹介されたり。ちなみに、母がハマっているマルチ商法まがいのビジネスは“怪しさレベルMAX”。

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遠目から見ている分にはユーモラスなんですが、間近で見直すとシリアス。人間そのものが“金を稼ぐ”という行為に還元されている点に怖さを感じますし、当事者たちには“やらざるを得ない”という現実に即した真剣さや葛藤が生じています。

こんな風に“語り”の明るさと暗さのバランスが絶妙なので、ヘビーな題材なのに作品世界に没入してしまうんです。


●撮影10カ月の意図は? “夫婦”監督の演出に唸り、鑑賞後はリンの“これから”に思いを馳せて、感情がさらにさらに粟立った
ベネチア国際映画祭に参加したホアン・ジー(左)、大塚竜治(右)
ベネチア国際映画祭に参加したホアン・ジー(左)、大塚竜治(右)

メガホンをとったのは、夫婦でもあるホアン・ジーと大塚竜治。この“夫婦監督コンビ”の手腕にも是非注目を。

本作の撮影期間は、約10カ月。実は「妊娠」の時間経過とシンクロさせるために“あえて”設定していて、しかも2020年からのコロナ禍や撮影現場のハプニングも脚本に取り込む即応力を見せつけています。終盤の展開は「時代の取り入れ方が上手すぎ…!!」と大興奮でした。

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この映画、リンの“ある決断”で幕を閉じます。が、そこには“余白”が残されていて、今もそれについて考えを巡らせていますし、なんならリンの“その後”が気になりすぎて一向に仕事が進まない……。

主人公の生きざまが決して“他人事”とは思えなくなる。この唯一無二の感覚を、映画館で体感してみてください。

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