石門のレビュー・感想・評価
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許容できない命に対する倫理観
いくら両親を助けるためとはいえ、賠償金の代わりに赤ちゃんを提供する・・・というのは
いかがなものか、と思う。
主人公リンの妊娠発覚から出産までの時間軸を描いたドラマであるが、
特段起伏もなく淡々と過ぎていく印象。
お母さんのネットワーク商売は少し笑えたけど、しつこくて鼻についた。
最終的にはコロナ禍となり、赤ちゃんの引き取りがうやむやになった気がする。
想像するに、結局引き取られなかったのではないか。
それと、1シーンが長かったりして、148分というのはさすがに冗長に感じた。
しかし、主演のヤオ・ホングイの体当たりの演技は良かったと思う。
女性にしかできない出産
なーに、さも普通の日常のごとく 地獄の一丁目を描いてるねん。。。 ...
閉塞感
20歳で望まぬ妊娠した女性が生まれてくる子供を他人に提供するまでのお話です。
卵子のドナー提供のためにウイグルからも面接に来ていたり、中絶してから1ヶ月でまたドナー登録ができるなんて台詞もあったり色々と初めて知ることが多かったです。
固定カメラで俳優さんたちのお顔もはっきり分からず、音楽もほとんどないので、ちょっと間延び感がありましたが映画というよりも実際の私生活を覗いているような気持ちなりました。
リンのお母さんは「赤ん坊はいらない」なんてハッキリいうし、勝手だな~と思いつつなんともずっしり重いラストでした。
赤ん坊の視点で観ましょう‼️
両親が経営する産婦人科で医療ミスで死産事故。莫大な賠償金の代わりに、望まぬ妊娠をした、その娘が自分の赤ん坊を被害者に提供すると言い出す・・・‼️この時点で倫理的にどうなのかなと思うけど、それを感じさせないくらい映画がテンポ良く面白ければいいと思いますが、出産までの9ヶ月、あまりにも淡々とした描写で、娘が我が子への愛情や母性に目覚めるとか、そういう描写もまったく無く、挙句は武漢のコロナウィルスのパンデミックで、無事に出産できるかどうかの展開‼️そして無事出産‼️ここでいよいよ娘の母性爆発かと思いきや、そんなカタルシスも無く、外は土砂降りの車内で赤ん坊の鳴き声が響くラストカット‼️このラストのカットを観て思ったのは、いつでも犠牲になるのは誕生したばかりの生命‼️そしてこの赤ん坊の主観で作品を観ると、とんでもない恐ろしい作品だなぁと痛感させられました‼️母の胎内にいる時から、自分を巡る大人たちの思惑が入り乱れる‼️本人は何も抵抗することができない‼️可愛がられるはずの祖父母にも利用され、無限の愛情を注いでくれるはずの母親でさえも・・・‼️今作は赤ん坊を主人公とした絶望的な悲劇ですね‼️
長く辛く報われない
タイトル通り重いが、さらっと景色の様に見せる。
ポスターカッコいいなぁと思ってたが、シーンとしては何ちゃないシーンであった。ずっと女性問題を扱っている日中2人の共同脚本監督らしいです。主演の子も半分素人で3作共通ですね。
実に淡々と女性の望まない妊娠と産院の実家の事情。
そして戸籍、赤ん坊の取引、卵子提供ビジネスというモラルギリギリの現実を描いています。あまり愛情とか母性にふらず、彼女を取り巻く状況を客観的に描く事で見る人に色々考えさせる仕組みになってるところが凄く上手くいってると思った。
中国のスマホとともに猛スピードで進歩した部分と富裕層、そして下層のギャップ、そんな分厚い背景の上で1人の女性が争うわけでもなく流されていく様がなんとも言えない物の哀れと逞しさを感じます。3部作らしいので全2作も観たい!
まあ、似たような事日本にもあるんだろうなぁ。
いい歳こいて最近知ったんですが1人の女性が一生のうちに作る卵子の数って決まってるんですってね。知らん事がまだまだいっぱいだ。
奈落の底へようこそ。
睡魔との戦いに一部負けた⋯
画面暗いんだもん。
『望まぬ妊娠に直面した20歳の女性を主人公に、女性を取り巻くさまざまな厚い壁を描いたドラマ。』
という謳い文句にしては、そのメッセージは伝わってこなかったよ⋯。
こちらが、がんばって理解しなきゃいけない作品は疲れちゃう。
この監督さんの個人的な考えを映画にするのは良いんだけど、
それを作品にしたとき、
観た側に何がどうやって伝わるか考えたのかなぁ⋯。
たぶん、パンフレットとかに、しっかり書いてあるんだろうなぁ⋯。
買わなかったけど。
お金受け取る受け取らないのシーン、長いってぇ〜。
後ろのチャイムに合わせたのかなー。
わたしゃ、
「アタシが払う払わないのオバちゃんのやり取りやーん」、
って心でツッコんでたよ。
とりあえす、
「世間知らず」
まさに、それなんだよなぁ、このリンって子。
親もだけどね。
とにかく、リンの産んだ子どもが可愛そうでしかなかったです。
監督曰く、
本作の着想は「5歳になる娘が“なんで私を産んだの?”と質問してきたこと」だと振り返り、
「実は私もなぜ自分が生まれたのか、そしてなぜ娘を産んだのか自問自答していた。
簡単な言葉では答えられないが、その答えを見つけるためにこの映画を作った」
と話していたそうだが⋯、なんで、こうなるのか不思議です⋯。
「価値観の崩壊」の末に放り出された私たちの「今」を切り取って見せた
望まぬ妊娠に対して、リンは堕胎も産み育てることも決心できず、母の借金のかたに子供を提供することを思いつく。
物語の中で、卵子提供ビジネス、代理出産、人身売買、出生届の偽装、と新生児をめぐる犯罪行為が矢継ぎ早に登場する。
重いテーマであることは事前にわかっていたのだが、観客である私たちが想像し、期待していただろう女性の叫びや涙はほぼ描写されない。
リンは貧困のどん底というわけではない。
リンを妊娠させた男は彼女の学費を援助し、妊娠がわかった後も姿をくらますでなく、誠意とまではいかなくても、最低限のかかわりを持ってリンと接触を続ける。
その男にも、もちろん妊娠の責任があるのだから、リンも妊娠を打ち明けてもよさそうなのに当初はしない。
中絶を強要されるのがいやだったからという説明もできるが、その割に子供への愛着は薄い。
最後に子供を引き渡す相手(リンの母の投薬によって死産した女性)が登場するが、リンの話しかけに全く反応せず、スマホばかりを見て、子供のことにまるで関心を示さない。
彼女の投げつける言葉は「世間知らずね」だ。
彼女は、この新生児を転売するのではなかろうか?
コロナ禍で薬局を経営していたリンの家族は特需を得て金が入る。
あれなら赤ん坊を渡さず保証金を払えそうにも思うがそうはならない。
最後の泣く赤ん坊を置いて車を離れるリンの感情を推し量れるような描写もない。
子供は値踏みされる商品に過ぎない。
欠陥があれば受け取らないのだ。
全体を覆うリンの「決められなさ」の未消化な感じに納得のいかない人は、この映画を評価できないだろう。
ここに「女性の虐げられた人権を感ぜよ」という表層的なフェミニズムを持ってこられても当惑するばかりだ。
最後に男に金を返そうとするリンと受け取らない男。
「それならもらっておく」とは互いにならない、その間が異常に長い。
あのシーンを女性の矜持と見るには無理がある。
お互いが「受け取れない」のだ。受け取れないのは金ではない。
責任と運命のように見える。
中国では何かが麻痺している。
「活力クリーム」を含めて怪しげな違法ビジネスに登場する人物はほぼ女性だ。
新生児をめぐる犯罪でリンに直接接触し、コーディネートするのは女性ばかりだ。
女性を抑圧し、搾取し、傷つけているひどい男たち、という単純な構図になっていないところに、この映画の肝があるように感じる。
この重いテーマのわりに抑揚の少ない表現についていけない人は多いだろう。
「虐げられた女性」では無く「価値観の崩壊」の末に放り出された私たちの「今」を切り取って見せた映画だ。
どうあるべきかに対して監督はおそらく何も言っていない。
評論でなく作品なのだ。
活力クリーム
母親が営む産婦人科で起きた死産の賠償金の代わりに、望まぬ妊娠をした娘が赤ん坊を産んで提供すると言い出す話。
客室乗務員になりたくて都会に出てバイトをしながら大学に通う娘が妊娠して帰ってきてと巻き起こっていくけれど、母親は医師ではなくて診療所の経営者ってことですか?
それに係争もなしに賠償金ってことは、色々言ってるけれど母ちゃんは黒ってことですよね。
そして頭おかしい母ちゃんに比べたらいくらかマシだけど、主人公もなかなかですね…あらすじ紹介に記されている中絶を望まないではなかったけれど。
そして先生も出てこない従妹も、そんなんでOKなんですか?とは思いつつも、いよいよ交渉成立で、そこからやっとこ機微をみせるのかなと思ったら、本質はどこ?なドラマをタラタラタラタラ…コーディネーターみたいなバイトも、武漢ウイルスも、今更?なビッグベンモドキの行もどうでも良いですね。
その先にそんな主人公でも母性とかメンタルな胸の痛みがみたいなものでもあるのかと思ったけれど、なんだコレ?
なんのための退屈な8ヶ月の描写だったの?という感じ。
人の欲。
予期せぬ妊娠、両親の賠償問題、
賠償金の代わりに赤ちゃんを提供。
被写体と距離がある撮り方をしていることで
不安定さと孤独がより強く感じ取れました。
卵子売買という闇バイトやマルチ商法に
手を出さなければいけないほど
女性が生きていくには苦しい社会。
生まれる子の容姿・知能・健康状態など
小さな命がビジネスとして使われる現実。
女性が品定めされるシーンが印象に残りました。
また、ウイグルの人が登場していることも
踏み込んだ内容だと思いました。
劇中に登場するリンの両親が
ホワン監督の両親だと知ってびっくり。
出演されていた方々全員が自然な演技で
素晴らしかったです。(とくに会話のシーン。)
重いテーマの中、共感もできる作品でした。
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