「育った環境と母語による刻印」ソウルに帰る talismanさんの映画レビュー(感想・評価)
育った環境と母語による刻印
フレディ役のパク・ジミンが魅力的で多面的な人間を、年齢を重ねながら変わる雰囲気と内面をよく演じていた。彼女はヴィジュアル・アーティストで、俳優ではなく演技は初めて、とは全く思えなかった。顔の感じや演技は「名優」とよく称される安藤サクラ(私は苦手)系。パク・ジミンは私にとって抜群に良かった。清らかさと濁り、怒りと人なつこさが同居している。やさぐれてなくて真摯で知的で眼が美しい。言葉も明確。音楽と接するとき、ダンスするときの彼女は特に素敵だった。
寡黙、激しい感情、特定の人に固執しない、言いたいことをはっきり言う、ベタベタしない、と思ったらふっと優しい表情をする。ルーツ探しはこの映画の一つのテーマにしか過ぎない。いろんな人との出会い、自分や他人とぶつかりながら少しずつ変化する、母語や話す言語から影響を受ける表情とボディ・ランゲージ、嘘や表面的なことを言わないから人を怒らせる、選ばれることはしないで自分が選ぶ、など気に入った箇所やセリフが沢山あった。
見てよかった。
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