「ウィズクラウドかアフタークラウドか、それが問題だ」ピンク・クラウド regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
ウィズクラウドかアフタークラウドか、それが問題だ
コロナ禍前に企画・撮影されていたという偶然性はさておき、この手のディストピアもの作品をやたら目にする。系統でいえば『ビバリウム』や、ロックダウン下で撮影した『ソングバード』に近い内容。
抑圧された生活からの脱出を求めていく女性と、現状を受け入れて適応する生活を選ぶ男性。特にVRに逃げて常軌を逸し、ヒステリックになっていく女性の姿が痛々しく生々しい。キーとなるピンクの雲や、母性と性欲を露わにした描写から作品全体からフェミニン要素を感じる。もちろん監督が女性だからという点が大きいのだろう。そういえばヒステリーの語源は「子宮」だった。
女性はアフターコロナ、男性はウィズコロナと、一向に終息しない現実と向き合う姿勢のメタファーにも映る。どちらが良いのかは観た人次第。
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