春に散るのレビュー・感想・評価
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春にボクシング
走るよ
アマプラで鑑賞。
要するに「ロッキー」なんだけど、話しの焦点がボクサー役ロッキーの流星くんと言うより、青春を置き去りにしてしまったトレーナー役の元ボクサー、浩市さん鶴ちゃん翔ちゃんの爺ィ三羽烏の挫折と再生を軸に描いていて、還暦爺ィである自身としては身につまされました。
爺ィ3人はみな心に傷を抱え、ただ老後をゾンビの様に生きている。それを、流星くんの青春の情熱や煌めきによって変えられていく。トレーナーに復帰する翔ちゃん、子供達を育ててボクシングの素晴らしさの伝道師となる鶴ちゃん、そして自らの夢を流星くんと共に達成し、春に散る浩市さん。桜の木の下には亡骸が眠っている。でもその顔は満足感で満ちているのです。老境に差し掛かる還暦になった自身としては、生きるってなんだろう?ゾンビの様に生きるのは果たして生きているのだろうか?と思わせられる好編でした。
定型
日本の美、満載。素朴で良い。
クライマックス、中西利男(窪田正孝)との試合、スローモーションの演出は泣ける。
居酒屋の外での出会いのシーンが面白い。そして、夏は特等席から花火を見て、祭りがあって秋になって、冬のイベントがあって、春に散るのは桜だけではなかった。
古いジャッキーチェン映画のような師弟もので、ベタなプロットだが引き込まれる。
序盤、主役の二人(佐藤浩市&横浜流星)がボクシング界隈の判定について理不尽である旨のセリフがあるが、それは負け犬の遠吠えだったのかもしれない、ということが後に判明するような展開で上手い。
年頃の男女、黒木翔吾(横浜流星)と広岡佳菜子(橋本環奈)の二人については、あっさり爽やかにスッキリ美しく纏めていた。
一瞬の光
「春に散る」公開を受け、ニュース番組内で「晩年を生きる」美学を描くと題して、沢木耕太郎の特集があった。
「春に散る」のあとがきでは、私が描きたかったのは見事な「生き方」ではなく鮮やかな「死に方」でもない。あえていえば「在り方」だった。と書かれてあり、死が、明日でもあまり文句は言わない。と、。
今、これでいいと思ってる「瞬間」をできるだけ連ねていければ、
自分に一生楽しめることが一個見つかれば、それでいいのだと。
つまり、佐藤浩一が現役から40年離れ、再び向き合ったもの。
横浜流星が死力をかけて挑んだもの、それがボクシングであり、最高の勝利を掴みとる「一瞬」が、一生の一個なのであったのです。
激闘の世界戦は、回を重ねる毎に汗と血が迸り、私たちは震え、涙した。
そして、一瞬の光の後、春は散った。
ボクシングが好きな人には面白いのかも
横浜流星の役作りは見事だが?
CSで録画視聴。
横浜流星の役作り、ボクシングシーンは見事。
ただ、ストーリーに関してはもう少しコンパクトにしても良かった。133分も長すぎる。
ありきたりの話だが、せっかく横浜流星の演技は見事だったのにもったいない。
男たちの映画
また観たい!
仁一と翔吾の「想い」
<映画のことば>
「そういうのなぁ「特攻精神」って言うんだよ。そんな考えは捨てちまえ。」
「仁さんだって、隠して、手術しようとしないで、メチャクチャじゃねえかよ。」
「年寄りは、メチャクチャなんだよ。」
上掲の映画のことばのように言って、仁一は翔吾の世界への挑戦を引き留めるのですけれど。
しかし、翔吾が最後に挑戦を決断したのは、けっきょくは「幸運の女神に後ろ髪はない」ということなのでしょう。
その決断が正しかったのか、間違いだったのか―。
ただ、間違いがないのは、翔吾にとっては失明の危険を冒してでも世界に挑戦する気概があり、彼はその気概を大切にしたという「事実」が残るだけなのだと思います。
だから、その「事実」だけを「事実」として受け止めるべきなのであって、そういう決断の当否は、第三者が論ずるべき筋合いのものでもなく、決断をした当の本人にも、本当は分からないのかも知れません。
ただ重く受け止めるべきは、トレーナーを引き受けた仁一と、世界に挑んだ翔吾の「想い」ということなのだと思います。
そう考えると、ズシリと重いものが胸に迫る一本だったと思います。
そして、その中にほのかに見える仁一と翔吾との師弟愛が素敵な一本でもありました。
そして、往年のボクサーとしての仁一にも、思い残すことは、これで何もなかったことでしょう。
「願わくは/花の下にて/春死なん/その如月の/望月の頃」と詠んだ西行のような、明鏡止水の心境だったのだろうとも思います。
そんなこんなの意味をこめて、佳作としての評価が適切な一本であったとも思います。
(追記)
それにしても、歳をとりましたねぇ。佐藤浩市も。
見事な白髪になっていましたけれども。
今年(2024年)の誕生日が来て64歳ということですから、まだこれが「地毛」というわけでもなかったのだろうとは思いますけれども。
その見事な白髪が、本作では印象に残りました。
(追記)
ボクシングは、ある意味、不思議なスポーツでもあると思います。
グラブやマウスピースといった(最小限の?)保護具を装用した上でとはいえ、半裸の男たちが、ただただ殴り合うということだけで、どうしてこんなにも観客の熱狂を誘うことができるのでしょうか。
(その点、ジョー的な要素が強いプロレスリングとは、好一対かとも思います。)
ただ只菅(ひたすら)に自分の足で走るだけというマラソンという競技が、あんなにも観客の感動を呼び起こすのと、同じなのかも知れないと、評論子は思います。
(追記)
試合の時に、レフリーが両方の選手にかける掛け声も、評論子には、意外でした。
「ファイト」(頑張れ)ではなく、「ボックス」(殴り合え)なんですね。
それは、もともとが殴り合う(ボクシング)というスポーツなのだから、ということになりそうです。
妙なところに感心してしまいました。
チャンプを目指すな 人生を学べ
最近ボクシング映画が増えてきたような気がする。「BLUE/ブルー」、「アンダーザドック」、そして本作。
松山ケンイチ、東出昌大、森山未來、北村拓海、そして本作の横浜流星と窪田正孝。みんなストイックに筋肉を作って、本当のボクサーのような体型に仕上げる。この俳優魂はやはり凄いと思う。ただ、いつもTKOがなく、リングで打ち合い続けるのはウソだと思うけれど。
ウソでも、その鍛えられた体を見ると文句が言えなくなる。
どこまでが真剣勝負かはわからないが、彼らはまさにボクサーだ。
「すんげえ世界が見えたんだよ」
この横浜流星の言葉にウソはない。
そして、彼が練習してきたジムに掲げられていた、「チャンプを目指すな 人生を学べ」という文字がいつまでも心に残る。
内容的には可もなし不可もなしという感じ。 横浜流星の動きはプロライ...
劇場案件だったかも
横浜流星の身体を張った演技が勢いだけでなく細かく丁寧に演じられてい...
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