「ラストのタイトルマッチの判定は?」春に散る 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
ラストのタイトルマッチの判定は?
私は判定はチャンピオン(窪田正孝)に上がると予測しました。
正直言って、どっちに転んでも不思議はない勝負。
力の差はほとんど見えない。
同じならチャンピ有利と踏んだが、結果はご存じの通り
挑戦者の黒木(横浜流星)の勝ちでした。
でも結果がストレートに《勝ち》で良かった。
題名は「春に散る」でしょ!!
負けて終わる予感がしていたので、良い意味で予想が外れました。
この映画はボクシング映画です。
【ボクシングの勝負に、再起をかける男2人の物語】
広岡仁一(佐藤浩市)は、大きな試合で、不公平な判定で負けて渡米。
一方若き青年黒木・・・
元ボクサーの黒木翔吾(横浜流星)も、同じく不公平な判定負けで
心が折れたのだ。
そんな2人が、夜の大衆酒場で出会う。
若者グループを凄いパンチで、退けたのをみた翔吾は
老人を《只者でない》と察して、弟子入りを志願する。
アメリカのホテル経営で成功して、その経営を譲って帰国した広岡。
広岡の昔の仲間たち。
哀川翔、片岡鶴太郎、山口智子などが昔馴染みで、
みんないい味を出します。
仲間の輪が直ぐに広岡を暖かく迎えてくれる。
真っ直ぐで気持ちのいい映画‼️
横浜流星も対戦相手の窪田正孝も、捻くれていない。
ボクサーの職業病・・・失明の危機、も描かれるが、
基本的に御涙頂戴シーンはない。
ボクシング・シーンも引き締まっている。
ラストの東洋王座を掛けた試合。
そこは1番の見せ場。
12ラウンドの最後の最後で、音が消されて無音になる。
ストップモーションも使って、
《トランス状態・・・極限の精神と肉体》を演出する。
翔吾は言う、
『世界を見せて貰った‼️』
極限まで努力した者にしか見えない【景色】
それを見たと目を輝かせる。
判定で勝負が決まったのは、ある意味で、
判定は公正である・・・と言いたかった?
嫌な人の殆ど出て来ない気持ちの良い映画でした。