「臍で茶を沸かす人情系ホームドラマ」こんにちは、母さん 野川新栄さんの映画レビュー(感想・評価)
臍で茶を沸かす人情系ホームドラマ
2023年映画館鑑賞54作品目
10月9日(月)イオンシネマ石巻
ハッピーマンデー1100円
劇作家永井愛原作
2007年にNHKでテレビドラマにもなってるがそちらは観ていない
こっちは吉永小百合大泉洋であっちは加藤治子平田満の共演
あちらには昭夫の娘は登場しない
山田のオリジナルだろう
テレビドラマでは中国人留学生が同じような役割をしている
テレビドラマに登場する直文の息子夫婦は映画では登場しない
監督と脚本は『男はつらいよ』シリーズ『学校』シリーズ『家族はつらいよ』シリーズ『幸福の黄色いハンカチ』『ダウンタウン・ヒーローズ』『たそがれ清兵衛』『隠し剣鬼の爪』『武士の一分』『小さいおうち』『キネマの神様』の山田洋次
脚本は他に山田洋次監督を師事し共に『男はつらいよ』シリーズや『釣りバカ日誌』シリーズにも携わった朝間義隆
主人公の昭夫は仲間のクビに関わる人事部長という仕事にほとほと嫌気がさしていた
妻との別居問題
妻と同居していた娘が家出
いろいろと問題を抱え久々に実家に帰ってきた
そして母は地元の教会の神父に恋をした
なんやかんやで母は失恋し昭夫は退職し離婚
母と昭夫は向島の足袋屋で同居することになった
田中泯のホームレスぶりが板についている
吉永小百合と親子役は無理がありすぎて笑ってしまったが今回は違う
昭夫と別居中の妻は声だけで顔を出さない演出
嫌いじゃない
舞の服装が悪趣味だ
永野芽郁はスリムだからまだマシだが
臍を見せるにあたり腹筋を鍛えたらしい
さすが人気若手俳優の自覚たっぷり
監督の臍のこだわりは武田鉄矢が足を引っかけ納得するまで20回くらいこけたという『幸福の黄色いハンカチ』と同様なのかもしれない
丸い掃除ロボットが何度も何度も昭夫に寄っていくシーン好き
典型的なほのぼのとした人情系ホームドラマ
可でもなく不可でもないといえばそれまでだが無難にまとまっている
『福田村事件』を観たあと体を中和し頭を冷やすにはちょうど良い
山田洋次監督のおかげで心が洗われた
他のレビューのコメント欄に同調圧力満々で殴り込みに行く活動家紛いはやはり大人のやることではないし反面教師と思い自分も戒めたい
配役
夫を亡くし向島で足袋屋を1人で営む神崎福江に吉永小百合
福江の息子で大学卒業後独立し現在では一流企業の人事部長を務める神崎昭夫に大泉洋
昭夫の娘で大学生の神崎舞に永野芽郁
元フランス文学の大学教授で現在は教会の牧師を務める荻生直文に寺尾聰
昭夫の会社の同期で大学時代からの親友の木部富幸に宮藤官九郎
売れないミュージシャンのスウェーデン人と再婚した福江のボランティア仲間の琴子・アンデションにYOU
夫と共に向島で煎餅屋を営む福江のボランティア仲間のの番場百惠に枝元萌
別居中の昭夫の妻に名塚佳織
ホームレスのイノさんに田中泯
昭夫の部下に加藤ローサ
久保田常務に田口浩正
出前の配達員にシルクロード
福江の店に客としてやってきた本人役として立浪部屋の明生
地元の巡査に北山雅康
区の職員に松野太紀
足袋屋の客に広岡由里子
炊き出しに並ぶホームレスに神戸浩