「クソコラージュ幻想」独裁者たちのとき 因果さんの映画レビュー(感想・評価)
クソコラージュ幻想
命一つでは到底贖えないような歴史的大罪を犯した独裁者たちを、銃も核も持たない俺たちが断罪する方法があるとすれば。それは映像史のアーカイブから彼らの肉体だけを拝借し、そこに好き勝手な魂を込めて物語世界を彷徨わせることなんじゃないかと思う。互いを痛烈な差別用語で罵り合い、うねる群衆の前で演説を披露する独裁者たちの姿は滑稽以外の何物でもない。俺たちとしてはそのまま永遠に煉獄を彷徨い続けてほしいところだが、昨今の世界情勢を鑑みるとどうやらそうもいかないようだ。戦争は続く。プーチンがこいつらに列される日はまだまだ遠い。
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