「数少ないアーカイブ映像でこんなことができるのか!」独裁者たちのとき カール@山口三さんの映画レビュー(感想・評価)
数少ないアーカイブ映像でこんなことができるのか!
ドキュメンタリーではない映像の創造の可能性の広がりを感じた。
それにしても眠たい、いや寝落ちした。
さて、
独裁者には独裁者に仕上げる大衆が必要なのだが、
死後の彼等を永遠に賞賛する大衆が居なくなっていて、
アーカイブを生きている様に動かしてみても独裁力を感じることは全くない。
あの独裁者だったときの狂気のオーラは、
群衆が大衆が育て創り上げた偶像で幻想であった様な気がする。
そんな独裁者の中に、
姿なきナポレオンと寝台に横たわるキリストが含まれていたのが愉快であった。
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「エルミタージュ幻想」「太陽」などで知られるロシアの鬼才アレクサンドル・ソクーロフが、
ダンテの「神曲」を彷彿させる冥界を舞台に、神の審判を受けるため天国の門を目指してさまよう独裁者たちの姿を描いた異色ドラマ。
深い霧に包まれた廃墟の中に、
ヒトラー、スターリン、チャーチル、ムッソリーニという、
第2次世界大戦時に世界を動かした者たちの姿があった。
煉獄の晩餐が始まると、
彼らは互いの悪行を嘲笑し己の陶酔に浸る。
彼らは地獄のようなこの場所で、
天国へと続く門が開くのを待っているのだった。
実在した人物たちのアーカイブ映像を素材として使用し、
独特なデジタルテクノロジーで彼らの姿をスクリーンによみがえらせた。
んセリフも全て実際の発言や手記を引用している。
^^
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