「コラージュ的な面白さ」独裁者たちのとき SHさんの映画レビュー(感想・評価)
コラージュ的な面白さ
題材的に大いなる思想や意志があるのかもしれませんが、個人的にはそんなのは全く分からなかったし、それが重要だとも感じなかったので、映像そのものを存分に楽しめた気がします。
思った以上に映像が面白くて、モノクロ中心の映像ながらも神秘的な美しさを感じたし、スタンダードに近い画角ながらも迫力を感じる映像に相当見入りました。
登場する面々も超越した人物ばかりだったので、言っていることが意味不明、脈略ハテナな感じであっても、やっぱこの人たちの言うこと分からんわーと割り切ることができたので、哲学的難解な台詞の数々もかえって楽しめたように思います。
冒頭の説明が全てを物語っていて、徹底したコラージュの妙というか、作家の創造性の中に、ナチュラルかつ生き生きと、故人となっている独裁者を魂があるかのごとく演出している点が実に面白くて、内容なんて関係なくなるぐらいのインパクトがありました。
こんなのも創造してしまうのですから、やっぱただ難解なだけの巨匠ではないのだとつくづく思った次第。
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