「天井にポッカリ空いた穴が暗示するものに希望の光が見える牧歌的ながら力強いドラマドラマ」ヌズーフ 魂、水、人々の移動 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
天井にポッカリ空いた穴が暗示するものに希望の光が見える牧歌的ながら力強いドラマドラマ
第35回東京国際映画祭で鑑賞。激しい戦闘に巻き込まれたダマスカス市街。近所の人達が皆家を捨てて国外脱出する中、頑として家を捨てない父の元で暮らす14歳の少女ゼイナ。爆撃によってアパートの壁が崩落し自室の天井にぽっかり穴が空いてしまうがその穴から一本のロープが降りてきて・・・。
天井の穴を通して育まれる小さな恋、父母の大喧嘩、じわじわと迫ってくる爆撃。それらを見つめるドラマは牧歌的ですが、終盤でゴロンと転がる物語の手綱を取るのが意外な人物であることに絶望的な現況であっても希望の光が消えてなくならない理由がしっかり見えました。
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