「中川パラダイスはええやっちゃ」アイアム・ア・コメディアン ジョンスペさんの映画レビュー(感想・評価)
中川パラダイスはええやっちゃ
冒頭からのマシンガントーク芸には素直に感心した。200本あったテレビ出演が1本になってしまったのはコロナの影響もあるだろうけど、「ビビってますよ、いつも」という村本は、しゃべりの時は下の方で握るハンドマイクをふるふる震わせていて、そこにビビる気持ちが現れているようにも思えた。原発、在日朝鮮人、沖縄米軍基地、障害者、政治家…。日本じゃなかなかネタにしづらい話題をストレートにぶつけて笑いに繋げていく姿勢は日本のコメディアンとしては貴重だし、口をつぐめばなかったことになってしまうという通り、村本のような人間は社会に必要だろう。
展開としては、親を絡めたエエ話ふうな終幕は作劇としてわからなくもないが、できれば彼が吠えたところで締めてほしかったところ。あと、38歳のときに訪れた韓国のシーンでは当然、38度線ネタを入れてくるかと期待したが…残念!(by波田陽区)
THE MANZAIでウーマンが優勝したころはお笑いが好きだったのに、今は日常的にテレビをほぼ観なくなったし、たまに目にする流行りの使い捨て芸人には一切笑えない。テレビ各局と吉本興業の癒着ぶりや例の松本人志問題などを知れば、日本のメジャーな領域でのお笑いを素直に楽しめる状況にはもうないように思う。村本自身は今も吉本所属のようだが、米国で成功して早く吉本にも噛みついてほしいもの(無責任なオーディエンス)。
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