「人間・村本大輔を知れる作品」アイアム・ア・コメディアン 邦画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
人間・村本大輔を知れる作品
特にファンとかではないのですがたまたま劇場で予告編で流れていてなんとなくこれは良い作品なのではないかと気になってしまい見てみました。結果、見て正解でした。
村本さんは数年前にテレビで活躍していた頃に見ていた印象だと性格の悪い天才的な漫才師くらいなイメージでしたが。あの話術に至るまでの彼の生きてきた人生や思いがこの映画では見ることができます。彼の話芸はたしかに性格の悪いように見えてしまうようなネタをやったりしてますが違う見方をすればとても自分に正直でまっすぐな方にも見えます。さらに本当はとても優しくて繊細でお客さんに自分が生かされていると、それに涙を堪えながらお客さんに感謝を伝えたシーンなど今まで自分の中にあった村本さんの印象とは全く違う人となりを知ることができました。
彼の独演会を生で見てみたくなりました。
上記にも書いたように本当に自分の思いにまっすぐな方なんだと思います。なぜなら、日本一の漫才師に上り詰めてからメディアの都合のいいようなネタをこなしていれば安定の道を辿れたはずなのに、彼はそれを選びませんでした。
タレントにはならずに彼の中での本当のコメディアンになる選択をして、今もなおそれに挑戦し続けている姿が本当にかっこよかったし、テレビ局というメディアがいかにクソつまらないご都合主義な政治や権力者に媚びたくだらないものであるということも考えされられる機会になりました。彼のやろうとしてることは本当に難しい領域のものです。それでもまだ日本では誰も成し遂げていないその挑戦を応援したいなと思えるそんな作品でした。とてもあっという間の2時間近く、本当にいい作品をありがとうございました。
と、終わりたいとこなのですが
こんないい作品なのに上映が少なすぎ短すぎて私の住んでる地域なんか昼しか上映されなかったり、平日のこんな時間に誰が見れるんだよ!って時間しかやってなくて、隣の県まで見に行きました。これもまあいわゆるスポンサー的なものが多く付いてる作品ほどたくさん上映されるメディアのクソさを感じました。
とにかくめっちゃいい作品なんでファンじゃない方もぜひ見てほしい!けど、マジで地方じゃほとんどちょっとの期間しか上映されてなくてそこが残念です。そんな状況にも負けずに頑張ってほしいし、劇場での上映は厳しくても後々サブスクの配信とかでめちゃくちゃにバズってほしいです!