劇場公開日 2024年7月6日

「本当にタイトルのとおりなのがすごい。」アイアム・ア・コメディアン sokenbiteaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0本当にタイトルのとおりなのがすごい。

2024年7月30日
iPhoneアプリから投稿

途中、渋谷公会堂のライブの場面がある。
演目が終わり、幕が閉まる時の、ものすごい拍手。
自分の感想はそれだ。
ただただ、拍手するしかない。

その幕の裏で呆然と佇んで動かない村本。
このまま、ほんとに映画のワンシーンのようだ。
いやこれ自体映画ではあるんだけど、フィクションのストーリーとして作られた映画のような場面がそのまま現実にそこにある。

そんな場面が、他にもいくつもある。
ほとんどそんな場面の連続と言ってもいい。
いつのまに、こんな人になっていたのか。
アイアム・ア・コメディアン。
コメディアンという生き様。
そのタイトルが少しも誇張には思われない。

そしてそれらは、何の変哲もないマンションの一室で、何の変哲もないノートにつづる言葉から生まれているのだ。
僕らと何も変わらない。
彼の政治的な発言も、何も特別なことはなく、おかしいと感じたことを、普通に声にしているだけなのではないかと思う。
ただ彼はそれを笑いに変えることができる。
それだけを武器に戦い続けて、いつの間にか、彼にしか辿り着けないような場所に来ているように思う。

その過程をコロナ禍を挟む3年間にわたり記録した見事なドキュメンタリー作品。
よくぞ映画にしてくれた。
見れて良かった。知れて良かった。ありがとうと言いたい。

sokenbitea