「風の冷たさが見る者の頬に感じられる」葬送のカーネーション La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)
風の冷たさが見る者の頬に感じられる
祖父と孫娘が祖母の埋葬の為に棺桶を担いで故郷の村まで歩いて帰ろうとするトルコ映画です。
荒涼とした平原を殆ど言葉を交わす事もなく歩き続ける二人の背景は必要最低限の事しか語られず、カメラはひたすら彼らの行程を追います。
「なぜ、そうまでして棺を運ばねばならないんだ?」
「一体、どこに向かっているんだ?」
「国境を超えるのか?」
など、観る者の疑問に丁寧には答えてくれません。行く先々の光景は寒々として、どこか奇妙で、でも切なくて遣る瀬無くて美しいのです。そして、風の冷たさが見る者の頬に感じられるのでした。
トルコを巡る国際情勢をもう少し知っていた方がよかったな。そもそも、トルコがどこと国境を接しているのかもよく分かっていませんでした。 (2024/1/13 鑑賞)
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