「心に潜むマンティコア」マンティコア 怪物 雨雲模様さんの映画レビュー(感想・評価)
心に潜むマンティコア
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マンティコア=怪物とあるが分かりやすく解釈するならば人面犬に近いといえる。
当該作品では、人間の内心に秘めたマンティコア=怪物的な一面を炙り出している。内気なゲームデザイナーのフリアンが同僚の誕生日パーティーで偶然にも出会った美術学生のディアナに出会いやがてディアナのミステリアスなイメージに心奪われるようになっていく。
実はフリアンは、ディアナに出会う前からクリスチャンという近所に住む少年にもピアノ演奏を機に内心惹かれており、ディアナにときめきを感じるようになったのは、クリスチャンとも似たような風貌だったのが一番大きな理由の一つだろう。
フリアンは異性愛者にも見せながらの実は同性愛者だったわけで、LGBTQにおけるQ=Questionかもしれない。
ディアナと出会い、ディアナとの時を過ごすにつれフリアンは本気になっていく。
しかし、今まで本気になって人を愛したことがなかったフリアンを知らぬディアナからしたら、自分の趣味を押し付けてばかりの印象でしかなかったのかもしれない。最後の追い詰められた末に思い入れのあるクリスチャンの家に訪ねた末の凶行は予見できなかった。
ディアナは自らの発言に悔いたのか、フリアンの看病をするという決断はフリアンからしたらある意味でハッピーエンドだったのかもしれない。
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