「親の愛」銀河鉄道の父 コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
親の愛
子の死を看取る親の視点だから、悲しくも、親の愛を最大限に描いていました。
実話ベースにエンタメにした小説の、さらに映画化ということで、史実とは異なる終わり方をしていました。
実際は、賢治の死後に詩人の草野心平ら文学同人メンバーの努力によって、賢治の名と作品は世に広く知られることになったはずだから。
(どうなってるかは映画をこれから観る人に配慮して書きませんが)
その草野心平の同人誌に参加したり、農学校で学び直し教鞭を取って収入を得たりなどの部分をカットしちゃって、なんで「今の時代に至り賢治が一般に普及するほど評価されたの?」ってのが、わかんない構成になっちゃっているのがまず不満。
そして、自分が調べて知ったことから持ってたイメージとの乖離のせいなので、作品が悪いというわけでもないかもしれないのですが……
死に瀕したあたりの賢治を物分かりよく、悟った感じで描いて美化しすぎ、文学者たる彼の「狂気」という本質を逃しているような気までして。
さらに妙に長回しだったり、顔への寄りが多くアップばかりなのに手持ちカメラで画面が揺れたりが気になって、画面に集中していると妙に目が疲れるし。
役所広司がいい役者だなぁ、と思って終わり。
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