「原作読もう」銀河鉄道の父 SP_Hitoshiさんの映画レビュー(感想・評価)
原作読もう
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宮沢賢治が好きなので観た。原作小説は読んでない。
非常に良かった。賢治がどういう人だったのか、今まではぼんやり聖人(せいじん)みたいな、あるいは朴念仁みたいな浮世離れしたイメージだったのだが、この映画で地に足のついた人物として想像できるようになった。
立派な偉人というよりは、純粋で理想主義者だけど現実が見えてなくて家族を振り回してしまう困った人って感じ。
お金持ちの家に生まれたこと、妹のトシとの関係、本が全然売れなかったこと、日蓮宗に傾倒したこと、農民に土壌改良の講義をしていたことなど、バラバラに知っていた賢治についてのエピソードが全部つながって理解できたのが気持ち良い。
少しだけひっかかったのは、日蓮信仰の描き方。この映画だと賢治は単なるヤバイ宗教にはまったみたいな感じに見えてしまうけど、ちょっと扱いが雑じゃないか。
映画だとどうしてもドラマチックに演出しなければならないので、リアリティを損ねてしまうところがあると思うし、ディティールが省かれたところも多いと思う。
たぶん、原作は映画の10倍は面白いんじゃないかと思う。
原作読もう…。
あと、エンドロールのいきものがかりの歌は映画に全然あってなくて、ええ~、って思った。「ジョバンニの島」で「星めぐりの歌」のアレンジバージョンがエンドロールで流れていたけど、ああいう感じになってたら良かったな。
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