「サッカーに興味が無い方にもぜひ見て頂きたい作品」横浜F・マリノス クラブ創設30周年記念ドキュメンタリー Beyond Together かにぱんさんの映画レビュー(感想・評価)
サッカーに興味が無い方にもぜひ見て頂きたい作品
この作品は、横浜F・マリノスの創設30周年を記念するドキュメンタリー映画です。
選手・スタッフに密着取材したクラブ公式You Tubeコンテンツ「THE DAYS」を再編集・再演出したものですのでマリノスサポーターは既知のシーンが多いかと思います。
しかし映画館の大画面で選手たちの激闘、苦悩、そしてJ1優勝の歓喜をともに味わうことができるのはこの作品だけです。
斎藤工さんの抑えたナレーションも胸にじわりと染み入る声で、「THE DAYS」にはない心地よさと没入感を高めてくれます。
かつての、そして今のマリノスサポーターへ向けてはもう何も言う必要はないでしょう。絶対に絶対に絶対に映画館で見て下さい……!あの優勝の瞬間をこれだけの大画面・大音量で全身に浴びれるのはこの機会しかありません!絶対に後悔しません!
選手一人一人のインタビューごとに感想をまとめたいのですがあまりにも冗長になるため削除しました……。ですが宮市選手の独白には溢れるほどの涙で嗚咽が堪えられませんでした……。
注意点は人目も憚らずに号泣してしまうのと、周りの観客がみな鳴いて鼻をすすってしまうことでしょうか。鼻をすする音がお嫌いな方は要注意です。
サッカーやスポーツのドキュメンタリーですと、どうしても同行の士だけの、内向きなジャンルと思われるでしょう。
しかし、この映画ではチームを支え続けるクラブスタッフ達、バックオフィス部門の奮闘が数多く描かれています。
同じ社会人として、彼らの努力と激務に頭が下がる思いがしました。
それは仕事をしている人間であればきっと理解できるでしょう。
彼らが楽しみながらもひたすらに仕事に打ち込む姿に、己の身を振り返る機会を与えられたようでした。
最高のパフォーマンスを発揮するために、ピッチ内、ピッチ外のスタッフでそれぞれが身を尽くし、組織の中の一体感を得られたからこそ、2022年のJリーグ制覇が成し遂げられたのでしょう。
サッカーやスポーツに興味がない方でも、組織で働いている方には絶対に心に刺さる瞬間があるはずです。
また、将来スポーツビジネスに関わりたい、クラブスタッフで働きたい!と夢見る若者にもぜひ鑑賞していただきたいです。一部ではありますが実際の業務内容をよく知ることが出来ます。
マリノスはそこまで大きなクラブではありませんので、試合イベントも多くのスタッフの方々の手によって設営がされています。
トリコロールランド(イベント会場)に出ている飲食用の椅子・机、のぼり旗やテントや柵、これらはバックオフィスのスタッフの皆さんで設営をされているようです。
力仕事も多く大変な作業でしょうが、マリノスのスタッフの方はいつも元気に対応して下さり、本当に頭の下がる思いがしました(2回目)
またこの映画を見て初めて知ったのですが、普段は見切れ席が出ないように最前2~3列をわざと空けていたようです。
以前からなぜ最前列は全部空席なのだろうと不思議に思っていましたが、手すりで視界が悪くなる席種だったのですね。
この映画でチケット担当のスタッフの方々が、席数を増やせないかと苦心している際に、一席一席視界を確認されている姿が大変印象的でした。
きちんと現地でスタッフの皆さんが確認をして下さっているから、何も考えず楽に席を購入できていたのだと思うと、本当に感謝の念がこみ上げてきました。
サッカーやスポーツに興味がなくとも、「仕事人」に興味がおありなら絶対に満足できる作品です!ネタバレ満載のレビューで今更何いってんだという感じですが、是非一度ご覧になって下さい!!