正直政治家 チュ・サンスクのレビュー・感想・評価
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【”正直政治家ってそういうコトだったんだね!クスクス。”ムッチャ可笑しくって、チョビッと家族の絆が沁みる韓国ポリティカルコメディ。日本の政治家にも是非<以下自粛>。】
■3期生の国会議員のチュ・サンスク(ラ・ミラン)。
多選のために、いつの間にか当初の高邁な志は何処かに吹き飛び、息を吐くように嘘をついて支持を集め、4回目の当選を目指して選挙活動に励んでいた。
そんなある日、持っていた土地が売れ、大金を得るも全て慈善団体”キム・オッキ財団”に寄付した高潔な祖母キム・オッキ(ナ・ムニ)の家を訪ねたサンスクは、帰宅後に彼女の嘘つき政治家の姿勢を嘆く故に祈った事で嘘がつけなくなっていることに気づく。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・ドーモ。
キビシイ会社生活を、息を吐くように嘘をつきながら乗り切っているNOBUです。
イヤー、今作は、面白かったなあ。夜中に自室でクスクス笑いながら観たもんな。
・嘘が付けなくなったチュ・サンスクが、無職の夫の母が突然やってきた時に、口を塞ぎながら言った言葉。”クソババア”。
その仕草で妊娠していると思われた彼女は、無職夫に対し、”セックスレスなのに何で子供が出来んのよ!”だってさ。
ンデモッテ、義理の母が”長生きするんじゃなかったわ・・。”と言いながら帰った後に、無職の夫から”酷いじゃないか、僕の母だぞ。”と言われ、枕を顔に当てて反省して泣いているのかと思ったら、”やったー!もう会わなくて良いのね!”とベッドの上を跳ねまわって喜ぶ姿。
・又、自伝出版記念会見で、ベストセラー一位になった事を言われると、”ゴーストライターを雇ったの!”と叫びながら、見てくれを気にして付けていたウイッグを放り投げる姿。そんな、政治家として致命的な姿を見た秘書のパク(ナント、キム・ヒヨル!犯罪都市のクールな悪党も抜群だけれども、コミカル演技もバッチリである。)が”ブラック・ジョークですよ!”と作り笑いしながらアタフタする姿も、ムッチャ可笑しい。
・チュ・サンスクのマアマア馬鹿息子ウノの二重国籍による、兵役回避なども韓国政治家あるあるである。可笑しいなあ。ムッチャ韓国政治を皮肉ってるじゃない。
それに、表向きは質素な団地に住んでいるのに、夜中になると豪勢なマンションに移動するしね。
・高潔な祖母キム・オッキなんか、いつの間にか亡き人にされちゃって、チュ・サンスクの”良い人エピソード”にされているし。
■けれども、そんなチュ・サンスクも、祖母キム・オッキに政治家になる事を勧められて当選した一期目は高潔な政治家で有った事が分かり、祖母キム・オッキが本当に亡くなった事を切っ掛けに彼女は、当初の理想を思い出して行くのである。
<イヤー、今作はラ・ミランのハッチャけた演技と、その後に見せる当初の理想に戻って行く姿や、腐敗した政治家あるある満載の韓国ポリティカルコメディの逸品なのである。
日本の政治家の一部も観た方が良いんじゃない?と思ったけれども、古臭い慣習が横溢する農水省の歴代大臣などは、ホントに正直だから、本音を講演でバンバン喋っちゃって火だるまになっているから、マア良いや。ジャーね!>
なんだか応援したくなるチュ・サンスク
数々の嘘で支持を集めてきた政治家のチュ・サンスクが祖母の神頼みによって嘘がつけなくなってしまい奮闘するコメディ。
もうすぐ続編が公開するということで、配信で鑑賞しました。
嘘がつけなくなるどころか人前でオナラまでするという始末(笑)政治家として選挙運動に力を入れるも、嘘がつけずに少々口の悪い本音がどんどん出てくるサンスクを演じたラ・ミランの存在感は見事で敵役でした。色々なものを失って、きちんと大事なことに気付けたところにもサンスクの魅力を感じました。
コメディと言えど暴露された他の政治家の素行がお粗末過ぎます笑。
歌って踊る選挙運動はポップで、バリエーション豊富な被り物など面白かったです。続編が楽しみです。
コメディ枠に見えるが、日本にもつながる重要なことも複数扱っている良作。
今年9本目(合計662本目/今月(2023年1月度)9本目)。
この映画、一般的な「映画」の枠ではなく、ここでも書き込めるように、「一応は」映画のカテゴリのようですが、シネマート系列の「アジア映画祭り」の一環のひとつの放送であるようです(よって、投稿数が極端に少ない)。
特集やここの紹介ページにあるように、「正直なことしか話せなくなり迷惑ばかりをかけつづける立候補者」のお話です。あまりに「正直なこと」しか言えなくなるのでいわゆる「時と場所」を考えずに支離滅裂だったり、気分を害したり(ここでは、観客が、ではなく、映画の登場人物が、ということ)…という部分もあり、その意味ではコメディ枠だとはいえるし、シネマートで見たときも笑いは絶えませんでした。
ただ、私はあくまでも特段の事情がない限り、法律の考え方ではどうか、という考え方で視聴しますので、そこまで「笑うほどの作品?」とは思いました(コメディと思う方を否定するものではありません)。
確かにそのシネマートの「アジア映画祭り」で選ばれたという事情もあるので、一般の映画館(要は、シネマート以外)で扱える範囲に達していない(やや品質が落ちる?)映画もいくつかあり、この映画も、その「一定のレベルに達していない」こととしてあげられるのが「ジョークがストレートにすぎて、やや下ネタが多い」などはあります。ただとはいえ、シネマートという映画館がチョイスしている以上、極端に支離滅裂だったり気分を極端に害するものは選ばれておらず、「やや(映倫?によって?)選外のものが選ばれている」程度の扱いです。
上述通り、コメディで見る枠は理解しますが、私はあくまでも法律の観点で見ますので…。
採点にあたっては、確かに上記の事情から「多少配慮の足りない描写」(主に下ネタ関係)があることはありますが、それとて配慮はありますし、減点なしとしました。
(減点なし/参考/選挙における立候補者の言論の自由)
立候補している以上、「ある程度は」相手側を「攻撃」する必要があります。これに関しては、日韓とも「根拠のないデマや誹謗中傷にあたらない限り、選挙であり、選挙で票を投じる制度である以上、常識的範囲で相手側の真意やややプライベートにかかわることを聞く」ことは許されており、この点は映画もリアルも同じです。
(減点なし/参考/二重国籍について)
日本でも時々問題視される方がいます。映画内でもこの「二重国籍」がひとつのキーワードになります。
日本も含め多くの国では「単一国籍」しか認めていないところが多いです。しかし「二重国籍」(多重国籍)である以上、「一つの国籍を選ぶこと」は、同時に「他の国籍を捨てること」を意味「しません」。国によっては「国籍を捨てることを禁止しているところ」もあるからです(代表例はブラジル。ブラジルは国籍の離脱を禁止しています)。
このため、日本にせよ韓国にせよ「二重国籍はやめて国籍を選びましょう!」などを言われることが多いですが、この「二重(多重)国籍問題」は、実は当該国内「だけ」では解決しない部分があります(複数の国が絡むことなので、法律上の区分は「国際公法」という分野になります。「国際」という以上、日本にせよ韓国にせよ、単一国だけではどうしようもありません)。
このような事情は日本でも韓国でも同じなので(日本や韓国がいくらそうした法制度をすすめても、他国に強制することはできません)、「二重国籍・多重国籍」に関しては、本人の意向がどうであれ「国が許してくれない」ケースもありますので、「二重国籍・多重国籍はけしからん」という立場も理解はしますが、そうした「国籍の離脱を許してくれない」国があることも、知っておいてほしいです)。
an exoiic animal land
嘘つき腹黒国会議員が、4選目の選挙期間中に功徳を積んだハルモニのお祈りのおかげて嘘がつけなくなってしまう話。
ライバル候補と紳士協定を結び、当選確実と思われていた主人公が、本当のことしか話せないどころか、思ったことをそのまま言葉にせずにはいられなくなる感じ。
しかもかなりのゲス人間。
政治絡みのお話しではあるけれど、そんな知識はほぼ不要なわかりやす~い誹謗、中傷、悪態、下ネタ満載のドタバタコメディで皮肉の効いた笑いは余りなし。
爆弾発言の連発でピンチに陥ったり逆手に取って浮上したりという内容的にもわかりやす~い展開で、なかなか面白かったけれど、山場に向かっては治っていないのに、ちょっと無理があるし唐突な急ハンドル感。
まぁコメディなので良いけれど、感動させる様な演出はなんか違う様な…それさえ笑いにしてしまえば良いのに。
難しいこと考えなくても、韓国の政治事情をまるで知らなくても何ら問題なく観られるって意味ではとても素晴らしかったかな。
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