「「大量虐殺実行の為の会議」のみの内容。しかし、恐ろしい。」ヒトラーのための虐殺会議 孔明さんの映画レビュー(感想・評価)
「大量虐殺実行の為の会議」のみの内容。しかし、恐ろしい。
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ナチスドイツがヒトラーの指令の下、ユダヤ人問題の「最終的解決」を図る為に催された所謂「ヴァンセー会議」を再現した映画。
欧州全体で1,100万人にも及ぶユダヤ人は、ナチスのソ連侵攻に合わせて東方の前線の後ろで特殊部隊により次々と狩り立てられて銃殺されていた。
しかし、その方法は実行者たちの心理的な負担が大きく、効率が悪い。
そこで、ガスによる大量処分の案が出されて会議に集まった幹部たちにより承認されていく。
全般を通して「只管会議のみ」です。
会議を主導するのはゲシュタポ長官「ハインリヒ・ヒムラー」の懐刀とも言うべき「ハイドリヒ」です。
後にチェコの特殊部隊によって暗殺されることになるこの男、戦後まで生き残っていたらニュルンベルグ裁判で間違いなく絞首刑であっただろう。
そして、極めて積極的に発言するのは戦後に南米に逃亡した「アドルフ・アイヒマン」である。
この男が、欧州全体から収容所までの鉄道網を指揮し、虐殺への強力な推進力となった。
時々参加者から出る反対は「ナチス内の主導権争いによる反対意見の提示」であって、誰もユダヤ人虐殺には反対していません。
幹部の中には、もうすぐ妻が子供を産むことになっている者もいるのだが、そんな人間が何の良心の呵責もなく、大量殺人の計画を打ち合わせている。
会議参加者の中に一人だけ「記録係の女性」がいるのですが、特に戸惑いもなく淡々と記録している。
大量殺人が国策として進められれば「おかしい」と感じることなどなくなってしまうようだ。
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