「全体主義の恐怖」ヒトラーのための虐殺会議 澄千代さんの映画レビュー(感想・評価)
全体主義の恐怖
1942年1月20日、ナチス側によるユダヤ人問題について話し合ったバンゼー会議の記録。
案の定、『12人の怒れる男(2008)』とはいかないですね。ヒトラーを総統とするゲシュタポ主導の会議でした。同意を求める方法も全体主義らしい。会議は淡々と進み、費用や輸送などの具体的な数字が生々しく、反論する文民側の根拠も正当性がある。それに文民側はいつの間にか総統の面目に議題をすり替えてるのもいい切り口。それでも…。
第一次の屈辱を味わったドイツの実行力と即決力は恐ろしいものを感じますね。たとえ、この結末が知っていても実行するかも知れないほどの憎悪と熱量と絶対性がある。戦争は始まってしまったら誰にも止められないと理解できた作品でした。
どこか、スター・ウォーズの帝国軍会議にも似ている。
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