神回のレビュー・感想・評価
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心一つで地獄にも希望がある
『時をかける少女』のような青春映画ではありません。そもそもタイムリープの作品かと勘違いしてましたが、タイムループでした。舞台挨拶で監督や演者の皆さんが「タイムループ」と何度も言っていたので「あれ?」と思ってましたが。
本作がデビュー作となる中村貴一朗監督ですが、20年以上も映画制作をされてきたので、映像も音楽もとても美しいです。
タイムループ作品は、最初のほうはしんどいですが、途中からの樹と恵那の成長や変化がすごく面白い。樹をすごく応援したくなる。
一つとして同じものがないのはもちろんですが、全てが初めての時間である恵那。恵那を演じた坂ノ上茜さんが神がかってます。そして、樹を演じる青木柚さんは今回も本当に素晴らしいです。無間地獄のような世界での絶望、間違いや後悔もある。そして受け入れるしかなくなる。
しかし、その先に希望を感じられるこの作品を見て、苦楽は本来一体なのかもしれないと感じました。青木柚さん坂ノ上茜さんの“二人芝居”を贅沢に堪能できるので、お二人の作品としても神回になるかもしれません。
坂ノ上茜 初脱ぎか!?(東スポ)
夏休み中の教室で女子(坂ノ上茜)と待ち合わせた文化祭係の男子(青木柚)がタイムループに気がついて、最初はなんとか脱出しようといろいろ試みるが、そのうち死なないことやリセットされることを悪用する妄想型の展開に。厚切り台紙カッターを壊すあたりから超安っぽいアダルト風味に。
町中華ねえさん危うし‼️
男子のスマホの待受画面がネギ味噌ラーメンだった。
ふざけたのか???
生涯独身の叔父さんの最後を看取る甥や制服着せた老人カップルも違うんじゃないっていう感じ。
一秒遅い彼ならぬ60年遅い彼でした。
塵芥
タイムループものは好物で、先月公開の「リバー、流れないでよ」が年間ベスト級の面白さ、あちらは2分でしたが、こちらは5分のタイムループという事で、どんな展開になっていくのかなと思いながら劇場へ。
悪い意味で予想を裏切ってくれました。青春味は無い、寧ろ鬱青春映画の代表格になるんじゃないかのつまらない胸糞映画でした。
13時から13時5分の間を延々とループする中、脱出の機会を伺うものの、一向にその機会が見つけれず、悶々とするも、そのループには裏があって…という感じの流れです。
ただそのループは全く活かしきれてない感じで、ループだからこそできる行動を何回か繰り返すのは良いんですが、しつこいくらいにやって何か活路を見出すならまだしも、やらかして絶叫して、何故か休憩してとかばっかなので、気が散ります。
無駄に引き伸ばしたシーンが多かったのも退屈な理由で、体育教師との対峙のシーンなんて上履きから靴に履き替えればそれで済む話なのに、それをしないから体育教師にタックルされる(上履きを履かないというだけでタックルする方もよく分からないけれど)事を何回も何回も繰り返すので飽きました。
「うみべの女の子」で痛感していたのですが、青木柚さんのキレっぷりが本当に苦手で、凄いとは思うんですが、その手前でこの人キツい…という感情になってしまって、しかも今作の樹がやたらめったらキレたり情緒不安定になったりするので、中盤は本当にキツかったです。時空の進まないことに大してのイライラならまだしも、恵那はそのループでは初めてなのに、会話の応答の繰り返しにイチイチキレたり、質問に対してもキレたりで最低が更新されていきました。
あと時空が進まないからといって、レイプに走り出したシーンはもう顔が歪みました。強引にキスだけでも見る画として辛いのに、もうそこから押し倒すわ、わざわざ刃物で脅して脱がさせて、なんなら下着まで脱がさせようとするわ、挙げ句の果てには椅子で殴って気絶させて陵辱して、自厨行為をして雄叫びあげてるんでマジでキモかったです。
この物語を作る上で、この発想が浮かぶ時点で監督のクリエイターとしての思想を疑いますし、このネタが種明かしされた時にまたドン引きました。
映画が始まったタイミングで、教室とは別のシーンが映った瞬間に、この映画全然違うテーマが潜んでるなと思い、少し萎えました。しかもそのテーマが樹がジジイになって死にかけている直前に見ていた走馬灯、しかも実際の出来事ではなく、妄想だったというエグい妄想を見せつけられていたんだなとゾッとしました。妄想の中でこいつはレイプをしていたんだとか、気になってた子に罵声を浴びせてたとかフィクションとはいえど気持ち悪さが勝ってしまいました。
爺さんと婆さんの制服のコスプレ、これ一体誰が得するんだ?という絵面でした。しかもこれがやたらめったら長いのもキツかったです。同じセリフを繰り返しても、学生パートと違い、何かを真相を解き明かすとかそういうのでは無いので、ただただ同じことの繰り返しが続いてるのも怠かったです。走馬灯とはいえ、現在の姿でわざわざやっても説得力は無かったです。
甥っ子が叔父を延命するかどうかのドラマも薄っぺらいですし、樹が書籍に載るほどの医者になったドラマも語られませんし、現代パートがおざなりすぎてなんだかなーって感じになりました。
良かったところといえば、坂ノ上茜さんの存在感です。27歳には見えないJKの演じっぷり、透明感が素晴らしかったです。アクションが凄いのが「BAD CITY」で体験済みなので、襲われそうになった時に蹴りでぶっ飛ばしてくれたのは爽快でした。
ラストのプロジェクションマッピングの演出、とても良い演出だなと思ったのですが、これ全部樹のキモい妄想だよなーというのが拭えず、恵那の可愛らしい姿も霞んで見えてしまいました。最後の「神回」のタイトルコールもハマらなかったです。
90分作品にしては長く感じましたし、全体的なキモさが滲み出ていて本当にキツかったです。何故これでGOサインが出たのか…。悪い意味でもう2度と観たくない作品です。役者に罪はありませんが、青木柚さんがより一層苦手になりました。役柄というのは分かってるんですがね…。
鑑賞日 7/24
鑑賞時間 17:00〜18:35
座席 E-2
我が人生最良の時(妄想)
爽やか青春SF…だと思ってました。
まず、シリアスかコメディかが常にどっちつかず。
特に教師のやりすぎタックルなんかは、どういう気持ちで見ていいのか分かりませんでした。
樹に感情移入させるためだとは思うが、ループもくどい。
手掛かりっぽいのは全部スカだし、冒頭でネタバレしてるから、なんかグダグダ。
60分くらいでまとめられたんじゃないだろうか。
最初から好意があったようにも見えないため、なし崩し的に見えるのもモヤモヤ。
恵那は記憶リセットされるのに、好感度上がってるのは何?
寿命が尽きるまで5分間をループし続けた樹が、逃避でも依存でもなく恵那が好きと思える描写もない。
(そもそもが、晩年まで引き摺った初恋のifの妄想?)
青木柚は『うみべの女の子』に続いて性的にクズな役。笑
気持ちは分からんでもないけどね…
しかし、健全なDT男子高校生がスンスンするだけで揉みにいかないのは不自然が過ぎる。(坂ノ上さん側のNGか)
終盤の演出はよかっただけに、どうにも勿体ない。
性欲の部分はまだしも、すぐ怒鳴るし、ループ前提で雑に接する主人公を好きになれないのも問題。
恵那の、等身大ながら母性を感じるキャラクターは好き。
(ってか、坂ノ上さん現在27歳なのね…ビビるわ)
新しい才能の出現
タイトルなし(ネタバレ)
初日舞台挨拶で鑑賞。
いやーーーーーー、これ…絶対フリーノベルゲーム育ちの人間に絶対刺さるやろ…?(褒めてる)
商業だとここまでの周回プレイ前提って無いんですけど、フリーゲームだとあるんですよね。しかも想像の範疇を超えるような選択肢が。
無駄に思える選択をしないと正しいルートに辿り着けないという…もう本当に気が遠くなるような繰り返しでやっと真のTRUE ENDに辿り着くわけだけど、辿り着いた先が鬱エンド……私が好きな話じゃないですかーーーーーー!やだーーーーーーーーー!
とまぁそんな感じのお話なんですが、最初はループから離脱を目指し、諦め、暴力に傾き、最後は受け入れるという心情の流れが妙にリアル。監督の言葉を借りるなら、まさに「オーガニック」です。
SFとしては諸々破綻してるところはあるかもだけど、「神回」の言葉の意味、事の真相、後日談も含めて満足度の非常に高い一品でした。観られてよかったよ。
ネタバレレビューにしてるのでどうせ読んでくれてる人はみんな観た後の人だろうけど、ほんと、みんな観てほしいな。
まずは告白じゃないっすか?
高校2年の夏休み、文化祭実行委員の女の子と教室で打ち合わせを始めたら、13時00分からの5分間をループしてしまう男の子の話で、男の子はループに気付くけれど、その他は説明しても次の回にはリセットという設定で展開していく。
最初こそ5分間を見せたけれど、後は端折って試行錯誤やその後の変遷を見せていき、コミカルな序盤はまだ良かったけれど、そこもコミカルさは足りない感じ。
そして人の話しを聞かない暑苦しいキャラの使い方がちょっとね…。
そしてダークなところはなかなか好みな感じではあったけれど、やっぱり繰り返しに怠さを感じる。
そして何より、フリだから仕方ないとはいえ教室の外から始まるオープニングで概ねどういうことか想像しちゃったまんまをネタバレされて、直ぐにオチに持っていって欲しいぐらいの内容を繰り返し観させられるから結構キツい。
甥っ子のエゴは苦痛しかないと思う自分には、これが幸せだとは思えないし当然感動なんかできないし、そもそもその話しだとループの意味は?
プロット自体は悪くないと思うけれど残念過ぎた。
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