「ウィニーを悔いる(食い)」ヴィーガンズ・ハム 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
ウィニーを悔いる(食い)
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お連れの方が、珍しく観たい観たいみたいを連呼するので渋谷の映画館のレイトショーに滑り込み。
一応ホラーというカテゴリーで国内公開されているものの、今作は去年の映画。
そして、ホラーというより、実際はコメディであり、食肉に対するアンチテーゼである。
肉を食うということ、狩るということは対象が違うだけで同じ意味なんだよ、と。
緩急のバランスの取れた演出、ちょうど良い役者の演技、全てを包み込むフランス語の雰囲気に、絶妙な音楽。
以前観たデリカテッセンを思い出した。
ああそうだ、あれも最初は肉屋のカニバリズム映画でしたねえ。
今作は中盤以降のノリノリで仮に出る夫婦の充実した日常をネイチャー番組で被せてくるところ。
テンポよく上手く演出している。
グロさは皆無で必要悪とでも言える空気感。
散々殺しまくった夫婦にせまる死の危機の方が緊張感があり、善悪の概念がひっくり返ってるのに気付かされる。
そして最後の「ウィニー」のセリフ。
結局ペースメーカーさえ出なければあの2人はごく普通に活動を続け、世の中からヴィーガンが一人一人と消えたところで世間は大して気にしないというアンチテーゼ。
上手くまとまり、読後感も妙な爽やかさがあるこの映画。
デートムービーとしては不向きでしょうが、バカ笑いしつつ、肉食を考えるきっかけとしては良い映画だと思う。
p.s. この映画を鑑賞前に渋谷の長岡生姜醤油ラーメンでたっぷりチャーシューを食べて鑑賞しました。
個人的に4D映画でした。
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