「母の葛藤と、何度も苦難を乗り越える強い愛」桜色の風が咲く まゆさんの映画レビュー(感想・評価)
母の葛藤と、何度も苦難を乗り越える強い愛
治療や診察のたびに泣く幼い我が子。
片目ずつ視力を失っても、心の目があると、ポジティブに向き合う子。前向きに努力する中、聴力までも少しずつ失う不安、失望感を思うと、ほんとに心が締め付けられます。
私も子を持つ母として、代われるものなら代わりたい。それでも寄り添うことしか出来ないもどかしさ。
それでも前を向いて生きていく大切さを教えてもらいました。
最後に小雪さんが語る詩。とても胸に沁み渡りました。
《生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい。
花も雌しべと雄しべがそろっているだけでは不充分で虫や風が訪れて雌しべと雄しべを仲立ちする。
生命はその中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらう。
世界はたぶん 他者の総和。
しかし互いに欠如を満たすなどとは知りもせず、
知らされもせず ばらまかれているもの同士
無関心でいられる間柄
ときにうとましくし感じることさえも許されている間柄
そのように世界がゆるやかに構成されているのはなぜ?
花が咲いている
すぐ近くまで アブの姿をした他者が
光をまとって飛んできている
私もあるとき 誰かのためのアブだったであろう
あなたもあるとき 私のための風だったかもしれない》
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