桜色の風が咲くのレビュー・感想・評価
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実際のエピソードが埋まった実話
エンディングで実話とわかった
自分には想像を絶する世界であまり感情移入することなく見れた
目の見えない大変な子供を持って矢面に苦労するのは母親で
父親は仕方ないのかもしれないが仕事を言い訳に母親に任せてしまっている
この時代はそうなのかもしれないが今は共に苦労する親が増えてきていると思う
家族の愛情に包まれて育った主人公が高校だけでも大変と思うが大学に行き教授にまでなるという
この間の並々ならぬ努力に敬意を評したい
親子共々成長していった物語に拍手喝采です
「僕は試練なんかいらんねん」は本音やったんやろなあ
ヤブ医者役も上手いリリー
母の葛藤と、何度も苦難を乗り越える強い愛
治療や診察のたびに泣く幼い我が子。
片目ずつ視力を失っても、心の目があると、ポジティブに向き合う子。前向きに努力する中、聴力までも少しずつ失う不安、失望感を思うと、ほんとに心が締め付けられます。
私も子を持つ母として、代われるものなら代わりたい。それでも寄り添うことしか出来ないもどかしさ。
それでも前を向いて生きていく大切さを教えてもらいました。
最後に小雪さんが語る詩。とても胸に沁み渡りました。
《生命は自分自身だけでは完結できないようにつくられているらしい。
花も雌しべと雄しべがそろっているだけでは不充分で虫や風が訪れて雌しべと雄しべを仲立ちする。
生命はその中に欠如を抱き それを他者から満たしてもらう。
世界はたぶん 他者の総和。
しかし互いに欠如を満たすなどとは知りもせず、
知らされもせず ばらまかれているもの同士
無関心でいられる間柄
ときにうとましくし感じることさえも許されている間柄
そのように世界がゆるやかに構成されているのはなぜ?
花が咲いている
すぐ近くまで アブの姿をした他者が
光をまとって飛んできている
私もあるとき 誰かのためのアブだったであろう
あなたもあるとき 私のための風だったかもしれない》
学校の授業で流してほしい映画
僕の世界が遠ざかっていく 〜 支えた母、家族の思い
幼い頃から辛い治療を続ける我が子を支えた母・令子を小雪さんが演じる。慈愛に満ちた小雪さんの表情が美しい。不安や罪の意識に苦悩する母親を熱演。息子から届いた点字で書かれた手紙を読むシーンがいい。
挫けそうになる気持ちを奮い立たせ、前向きに生きる福島智さんを田中偉登さんが熱演。
夫( 吉沢悠さん )や二人の兄が抱える複雑な思い、さり気なく気遣う言葉が切ない。
吉沢悠さんのナチュルな演技も光っていた。
ー 自分らしく生きたい
ー「 指点字 」
Eテレを録画にて鑑賞
自分の人生…自分らしく…生きる
確かな爪跡
深海で光るクラゲ
目が見えず、耳が聞こえないって、宇宙や深海に一人漂う感じだろうか。真っ暗で無音。ただ、匂いや手触りはわかる。何かが動いて起こる空気の流れや、振動、陽のあたたかさ、雨や雪の冷たさ、それは皮膚で感じることができる。でも、やはり不安だよね。人は、視覚と聴覚から得る情報に、かなり頼ってるもん。誰かに支えてもらわないと、生きていくのも難しいし。
モデルとなった福島智氏は、以前テレビで見たことがあり、指点字で会話するスピードに、驚いた記憶がある。障害があるなんてわからない程のしゃべりだった。その理由が映画によってわかった。あの発話のクリアーさは、聴こえる時間があったからなんだね。しかし、聴覚を失うことがわかった時、恐怖と絶望に打ちひしがれる智の姿は、全く無関係の人間でも見てて辛いのに、家族はどれほどの思いだっただろう。
小雪は演技は悪くないが、やはり雰囲気がゴージャスというか、きれいすぎるなぁ。普通の主婦に見えん。智役の田中偉登くんは良かった。音楽室で聴こえないピアノに耳を当てるシーンは、とても爽やかだった。
深海のクラゲは真っ暗な海の中で、発光する。福島先生は、クラゲのように美しく光っていると思う。著者を読んでみようかな。
NHK Eテレの放送を視聴。
奇跡の人‼️❓
これぞイノベーション
号泣しました。見て良かったです。
ある男性が徐々に五感を失う中、家族で悲しみを乗り越えていく物語。病気の中でも明るく生きようとする姿に心打たれます。
しかし智さんの人生は壮絶の一言。片目が見えなくなり、次に視覚が全てなくなった段階で絶望だったと思いますが、それを乗り越えた後に今度は聴覚が…
目も耳も聞こえず、コミュニケーションは当然取れません。世界に取り残されているようだとの言葉や、智さんが令子さんに手を触れながら歩く描写が、その辛さを本当に際立たせていました。
そんな中、令子さんが指点字を編み出します。指点字とは指で点字を表すものです。盲学校で一人暮らしをしていた智さんに点字のタイプライターで手紙を作って送っていた令子さん。
子と何とか意思疎通したいと点字を学んだ彼女が、聴覚も失い孤独にくれる息子と何とか意思疎通を取ろうとして指点字を思い付いたのでした。
2人は指点字を元に再び通じ合えるようになり、智さんも孤独から解放されました。この指点字の瞬間は本当に美しく涙が止まりませんでした。是非見て欲しい映画です。
悲劇は平等ではないが、幸福は増すと信じたい
2022年劇場鑑賞89本目 傑作 75点
タイトル通り、2022年下半期もっとも純粋に号泣した作品
確か季節の変わり目、服装の季節感が定まらづに少し厚着で渋谷のユーロスペースに行くのに電車に乗り遅れ走って向かって汗だくで少し遅れて鑑賞した気がします
今作は元々鑑賞予定ではなく、当サイトでの高評価が暫く続き、レビュー数が増えてもずっと☆4.0を保っていたので気になり鑑賞しましたが、まあ真っ直ぐに届きましたねえ
展開やストーリーは予告や予想通りで、それについての期待や裏切りは無いし、この手の作品にそれは相応しくないので、ジャンル映画として純粋にレールに乗っかってみていましたが、今作は単なるお涙頂戴映画ではなく、どちらかというと実録を味付けせずにそのままの純度で描いたドキュメンタリーに近い
こんなに懸命に前を向いて生きている人を見ると自分がいかに恵まれていて、ぬるま湯に浸かっていて、本気で生きていないのに気付き辛くなるのと同時に、当事者になったらとてもこの人の様には生きれないとも思って、ただただ関心する
当事者は勿論、母がすごく優秀なのがわかります
是非
「あたりまえ」を変える
You Tubeの心理カウンセラーでよく聴いている方のお話に「あたりまえ」を「ありがたい」に変えることが、人生の幸福度を上げるための秘訣だというものがあります。これを思い出しました。評論子は。本作を見終わって。
本作になぞらえると、見えること、聞こえることが「あたりまえ」ということではなくて、見えて、聞こえて「ありがたい」といったところでしょうか。
人間得てして失くしてしまったものの大きさに悲嘆し勝ちですけれども。
しかし、まだ「触覚が残っている」という「ありがたさ」に気づけたからこそ、指点字を発案することができたとは、言えないでしょうか。
とくに「気短か」「せっかち」を地で行くような評論子には、心に沁みた一本になりました。
佳作であったと思います。評論子は。
(追記)
他のレビュアー諸氏も言及していますけれども。評論子も、このお父さんは意外とタダ者ではないように思います。
一見すると、智君のことはお母さんに任せて「我関せず」といった姿勢に徹しているようにも見えますけれども。
しかし、どうしてどうして。
時々ですがブレそうになるお母さんの軌道をちゃんと修正するし、智君の状況や動静にも関心を払うことを怠っていないようです。
むしろ、親はいつまでも面倒を見てやれるわけでもない(当たり前ですが「長幼の序」から言うと、自分の方が確実に早くこの世から消えてなくなる)。
そのことを見据えて、まず自分がしっかりすること。変わったばかりという職場で、むしろ早く一人前としての地歩を固めることが、むしろ智君の生活の安定にとっても必要という信念を揺るがずに堅持すること…。
評論子を含む凡人であれば、ついお母さんと一緒に右往左往してしまい勝ちで、こんなお父さんは、そういないのではないではないかと思いました。
その意味で、とても関心を惹かれました。このお父さんには。評論子は。
春の息吹を感じる意欲的な作品
主人公の男性、智が幼少期に視力を失って
盲学校に入った後の18歳に聴力も失くなり
家族に支えられながら、成長していくストーリーでした。
兵庫県の都会的な街並み、川に架かる橋を
母親と息子の2人、自転車とマラソンで連れ立って走る場面、試練や困難にぶつかり
胸が苦しく押し潰されそうになる自分の姿がありました。
家庭を護り、ひたむきに生きていく家族に
深く感銘しました。
盲ろう者となった息子の智に指文字を教えた
お母さんは新しく人生を切り拓く、息子さんの道しるべとなりました。
自然界にも花が咲くけど、自分の力だけではなく何かの助けがあって花開くことを知りました。
海辺の静かなさざ波、砂浜に光がまとう
春の息吹と共に新芽が生えてくる
人に支えられて生きる歓びを感じるストーリーでした🌸
事実とそのモデルへの敬意に溢れた圧巻の1本
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