「フィリピンパブ嬢とロマンス」フィリピンパブ嬢の社会学 himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
フィリピンパブ嬢とロマンス
映画『フィリピンパブ嬢の社会学』豊かな国日本に出稼ぎに来る女性たち。知っているようで、知らない彼女たちの本音。そんな?の部分を探求する一人の大学生。ほぼ実話だそうですが、国も違えば習慣も違う、いろんな苦難を乗り越えて若い二人の進む道はいかに。
素朴な人間が珍しい時代
大学の論文に選んだのは、フィリピンパブ嬢。
なぜ彼女たちは、日本に来るのか。
なぜ、風俗の世界で働くのか。
そんな素朴な疑問から始まる映画。
主人公の大学生は、あくまで、フィリピン嬢を一人の人間としてみている。
当たり前のことなんですが。
風俗で働く彼女達を色眼鏡でみてはいないでしょうか。
あくまで、男性にとって都合の良い対象としか見ていないのでは。
彼女たちは、一体どんな人なんだろう。
そんな素朴な疑問がいい。
フィリピンパブ嬢という立場。
案の定、大学生とパブ嬢は恋に落ち。
結婚までの苦難の道が控えている。
そう、フィリピンパブでの疑似恋愛まではOKなんですが。
そこから先は、いろいろと。
彼女達は、パブ経営者と契約があるわけで。
そこには、反社も関わってくるし。
そう、恋愛はご法度なんです。
彼女達には、それぞれ経費というものがかかっているわけで。
そう、人身売買とまではいきませんが。
とにかく勝手なことはできないわけで。
そんな二人が、どう苦難を超えてゴールするか。
映画を見てのお楽しみとなります。
お国が違えば、いろいろと
そう、好き嫌いまでは問題ないのですが。
その先結婚となると。
フィリピン嬢に惚れる日本人男性。
これ、なんとなくわかります。
とにかく彼女達は、明るくて、ポジティブで、楽観的で。
日本人女性にはないタイプ。
では、いざ結婚となると。
そう相手の家族とも上手くやらないと。
フィリピン嬢の一家を尋ねる下りが面白い。
とにかく家族、親族を大事にする。
フィリピンの家族は、彼女の仕送りで豪邸を建てノンビリと生活。
帰郷した、彼女にお小遣いのおねだり。
彼女もまんざらでなく。
まあいいんだか、悪いんだか。
親族のきずな
日本では、ほぼ死語になった感があるんですが。
フィリピンでは、まだまだ。
結局社会制度が、脆弱だから、なにかあると親族同士助けあうとなるんでしょうね。
やがて、社会が豊かになり社会制度が充実すると、このつながりは希薄になると。
日本だってかつては、親戚同士の絆が強かったのですが。
では、フィリピンはどうかというと。
経済発展は、目覚ましいものがあるよですが。
他のASEAN諸国を見てもわかるように。
社会が、ある程度その基盤をつくり社会制度の充実まではたどり着けなかったというのが現実では。
発展の速度も早かったけど。
そのぶん、安定の時期も短く。
ですから、我々日本人は、恵まれていると。
高度成長期から、社会の基盤作り、各家庭の貯蓄まで時間的余裕があったわけですから。
今後、アジアの隣人たちとのお付き合いは、どうなるのでしょうか。