メイクアガールのレビュー・感想・評価
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タイトルなし(ネタバレ)
動きが良かった。今のアニメってこんなに細かく絵を動かせるんだなと感心した。本作の出来は良かったので次作も期待出来る。業界のことは良くわからないがエンドロールで監督がいくつかの役割を兼務していたので、もっと予算を多くして作品を作れば、化けると思っている。
話としては最後のほうが良くわからなかった。結局アキラも母に作られた存在なのだと思ってるんだけど、合ってる?目が黄色くなったし、0号がアキラを好きになるように作られているように、アキラも研究するように作られてると思う。0号にナイフで刺されてるのに血液は黒だったし。
アキラには天才科学者の母がいたが、母は病気で亡くなっている。母のような科学者を目指してアキラも日々まい進している。
研究が思うように進まないアキラは友人からら、彼女を作れば能力アップする、と聞き、そこで彼女を作るために0号を生み出す。
0号を作ったものの、研究が上手くいかないアキラは、0号が鬱陶しくなり、距離を取る。
0号がさらわれる。犯人はアキラと親しい女の人。日常的にアキラの能力に嫉妬していたため。
0号を取り返したアキラだが、0号に襲われる。0号はナイフでアキラを刺す。アキラを攻撃すると抑制機能が働くのだが、0号はそれにより自身の首を絞めて気絶してしまう。
昏睡状態が続いていた0号だが、ある日目覚めた。アキラは0号に会いに行く。
将来性を感じた作品
安田現象の将来性を感じた作品でした。
率直に申し上げて、主人公には共感できず、
話しとしても、ちょっと倫理観としてどうなの!?と思う場面もありまして、
どうも入り込めなかったですね。
・そもそも自分を愛すプログラムされた人間をつくるって・・・
・0号が明をめった刺しにするところは、この絵柄だからまだよかったが・・・
全編フル3DCGアニメということで心配していたのですが、数年前の気持ち悪い動きではなく、
随分自然な動きになってきたなと感じました。
でも、これなら2Dで精彩に書き込まれたアニメーションの方が
世界観をより解像度高く表現できるかも・・・と思います。
なんとなくですが、
『エヴァンゲリオン』 と 『哀れなるものたち』からの影響を想像しちゃいました。
続編もあるっぽいですが、どうなんでしょう。
今のところ観たいとは思いませんが、格段にクオリティは上がるでしょうから
そういう意味では期待して良いかもしれませんね。
そして、安田現象はいずれ大物になるかもしれません。
駄作ではないがストーリー描写不足で消化不良感が残る作品
まず見て損したとか駄作だとか言うつもりはありません。むしろ楽しめた方ですし。
特に映像に関してはYouTube Shortsに流れてくるあの映像がパワーアップして映画館の大画面で見れるというのは眼福でございました。
しかしながら見終わった後にストーリーの描写不足による消化不良感があったのは事実
例えば明が作った「0号は明が好きだ」という感情を読み取れる描写は
研究に時間を割きたい明を0号が強引に遊びに連れ出そうとする場面ぐらい。その時間約1~2分
だからその後の場面でいくら0号が「明さんのことがこんなに好きなのに!」みたいなことを言っても、別にアンタそこまで明のこと好きやないやろと脳内ツッコミを入れてしまいました
ストーリーが破綻するほどの描写不足ではないので、全体のお話は理解できたものの
話がズンズン進んで起承転結をただ羅列したような感じが否めませんでした。
公開を2025年末にしてあと30分プラスすればより心に響く良い作品になったのではないかな~と思ってしまうのでした。
気鋭の作品!
題材が面白そうだったので映画館へ。アクションシーンが素晴らしい動きで作られていて、夢中で観れた。
なんか作画もストーリーも、作られている方々の魂を感じられて嬉しかった。
構成は、オープニングイメージで機械を自在に操る主人公。セットアップで主人公の周りの現状見せて、きっかけが友人に彼女が出来て成長出来たから、主人公も彼女を文字通り作る決断。
アンドロイドだから感情は作られていると言われるが、彼女自身が自分の感情に自問自答していくお決まりのお楽しみが入る。
ミッドポイントで主人公が彼女を遠ざける。どうしていいかわからず絶望している主人公。
悩みの時がある程度の時間入る。セカンドターニングポイントで彼女にもう一度会う決断。
追いかけっこ。サブプロットの解決。フィナーレ。
エンディングイメージ後、また決断し、彼女と再会し終わり。
自分で修正するなら
◯フィナーレは一回で終わりにしたい。フィナーレで彼女と仲直りさせる。決して、狂気的に刺してくるヒロインにはしない。わかるんだけどね。こう描きたいというのが伝わってきて、嬉しかったんだけどね。
◯感情と物語の整合性が無いところがある。もしくは、わかりにくい部分がある。もっと、シンプルにしたい。
プロットの構成自体は素晴らしく作れている。作りたい事もよくあらわせている。魂を感じるから、作家性を抑えられる人が周りにいるなら、次回作は商業作品として、多くの方に受け入れられる作品を世に出してくれるように感じた。
爽快感満載だけれどもほんの少しのモヤモヤ
どんなボーイ・ミーツー・ガールモノかと観に行って来ました。
最初主人公が自身の研究の質を上げる為にアンドロイドを造ったと言う動機は良く有る話の筋で成る程と観て居ましたが、主人公の価値観やキャラクターがあまり出て来て居なかったので、後半の叔父への言動や彼女を大切に思う様に心変わりした理由付けが弱かったと思う。
もう少し主人公の性格や内面が描かれていればもっと感情移入出来たと思う。
そこを除けば、演者さんの演技や音楽、映像ともに素晴らしい出来だと思う。
何となく、アトチョット感が拭い切れない作品でした。
ほんの少しだけモヤモヤッとしました。
そこを除けば爽快感満載です。
予想外だが納得感あるシナリオ
「彼女を作れ」って言われた天才マッドサイエンティスト高校生が、科学的に彼女を創造しました!なんてSFラブコメ的発端から、最終的に「冥王計画ゼオライマー」みたいなオチに転がるとは…だいぶ驚かされたが、シナリオに破綻はない。徹底して感情の機微の分からないバカ(天才)として描かれる主人公に対し、人造人間ヒロインが心を獲得していく対比が効いていて、魂の尊厳を懸けた怒涛のラストバトル(!?)は全面的に後者を応援してしまった。フランケンシュタイン的因果応報、といえば古典的でもあるが…。絵面はともかく、あれを「ヤンデレ」なんて俗称では呼びたくないもの。造物主に抗らえ!ってやっぱりロボ抜きのゼオライマーでは…。CGで丁寧な芝居を描く手法やカメラワークの工夫も良好で、まだ学園ラブコメの皮を被った前半のしっかり支えて、後半のアクロバティックな展開へ上手く繋いでいる。真賀田四季みたいな母親=天才科学者が怖すぎる…。
まずは明に恋愛が何かを教える必要があるのだが、青年期の性的な反応がないのは残念かなあと思った
2024.1.31 イオンシネマ京都桂川
2025年の日本映画(92分、G)
コミュ障の天才科学者が恋愛学習ドールを作るSF映画
監督&脚本は安田現象
物語の舞台は、近未来の日本
天才科学者の母・水溜稲葉(種崎敦美)と大学教授の父・高崎庄一(上田耀司)との間に生まれた水溜明(堀江瞬、幼少期:日向未南)は、自身の研究がうまくいかなくて焦っていた
新しいものを作ろうとしてもうまくいかず、失敗ばかりが募る日々を過ごしていて、学校でも問題ばかり起こしていた
ある日のこと、クラスメイトで親友の邦人(増田俊樹)に恋人(和久野愛佳)ができ、それによって「パワーアップする」ことを知った明は、独自に人造人間の制作に取り組んだ
明は完成した人造人間に「0号(種崎敦美)」と名付け、一緒に学校に連れて行ってしまう
邦人とクラスメイトの茜(雨宮天)は呆れながらも「明らしい」と受け入れ、ほのぼのとした日常が始まった
物語は、0号に彼女なる存在が何なのかを学ばせるというものだが、行っていることは一般社会の過ごし方となっていた
学校生活、アルバイトなど、彼女になる前に必要な人間学習がメインで、一応は喜怒哀楽についてはインプットされているようだった
このあたりの情報を明がインプットしているので偏っている
彼自身がコミュ障、恋愛興味なしという人物なので、目的に至るまでに学ばせることが多すぎるように思えた
若者の青春にありがちな性的な反応などは一切なく、明に気があるふうの茜も0号には嫉妬しない
人造人間だとわかっているからだと思うが、目の前であれこれされたら気になってしまうのは普通のように思う
そもそも明があのビジュアルの女の子を彼女に設定している時点で何らかの意図があるのだが、そのあたりのツッコミはほとんどない
これについては後半で明かされ、そのベースとなる女性観というものがわかるし、明の出自からそうなることは理解できる
だが、周囲の普通の人間の反応が「普通」ではないので、観客側が感じる違和感を作品内で解消しないのは微妙だなあと思った
その後の展開は無理に動きを作ろうとしているのだが、そのスケールがかなり小規模となっている
作画の大変さはわかるものの、敵のスケールは数で表現されることが多いし、少ない場合でも圧倒的な力量差というものが必要になってくる
本作は、そのどちらでもないので、0号を奪い合う展開にハラハラしないのが難点であるように思う
作画はとても美しく、キャラデザとかガジェットも好みなのだが、シナリオの作り込みはプロに託した方が良かったかもしれない
人間の母親が作った人造人間が作った人造人間が0号、ということになるのだが、母親の転生先を息子に作らせたのか、人造人間が人間を作ったら(AIが人間なるものを作ったら)という実験だったのかはわからない
わかりやすく、AIがAIを作るという展開になって、その危険性をテーマとするならば良いと思うのだが、そこまで深めには設定していないようなので、このビジュアルが動くところを見たいという人向けの映画だったのかな、と感じた
いずれにせよ、明は常にゴーグルをしているわけだが、このようなキャラ付けをするにはある程度の意味を持たせる必要があると思う
彼がゴーグルを外さない理由とか、外すタイミングで描かれることなども意味を帯びてくると思う
また、明を普通と思っている人ばかりが登場するのだが、彼を普通だと思っていない人もいると思うので、そう言った人を登場させることで、人間関係の広さというものを表現できたのだと思う
それによって、明という人間がこの世界でどれぐらいマイノリティ寄りなのかもわかるし、どの領域で物語が展開するのかも見えやすい
そう言った全体図を描きつつ、その枠外に向かう物語を作ることで、より深みが増したのではないか、と感じた
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