「美しいかけがえのないシーン、あれだけでも観る価値がある作品」画家と泥棒 ターコイズさんの映画レビュー(感想・評価)
美しいかけがえのないシーン、あれだけでも観る価値がある作品
ドキュメンタリーの強みは、フィクションでは到底及びもつかないような映像を撮れることだと思う。
この作品にもそういうシーンがあって、かなり心を揺さぶられた。美しい、かけがえのないシーンだったと思う。
画家が、自分の絵を盗んだジャンキーのチンピラ?にコンタクトをとりモデルとして絵を描いていくというこの非凡な物語は、なぜこれが成り立つかといえば、画家のバルボラと泥棒のベルティルはどこか通じ合うものがあったからだと思う。ふたりとも極めて危なっかしいのは、死や失うこと、傷が、彼らにとってはそう遠い存在ではなくて身近で親しい存在だから。
カモンカモンを観た時、インタビューされるというのは尊重されることなんだなと感じたのだけど、モデルにされるというのも同じようなことかもしれない。関心をもたれること、経緯を払われること。パンだけじゃなくてそういうものがなければ、人は満たされないのかもしれない。
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