「プラトニックな物語にした方が良かったのでは?」エンパイア・オブ・ライト tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)
プラトニックな物語にした方が良かったのでは?
映画館を舞台にしているが、昨今よくある「映画愛」を謳い上げるような映画ではない。
共に生き辛さを感じている中年の女性と黒人の青年が、心を通わせていくラブストーリーになっている。
ただ、歳も離れていて境遇も異なる2人が、どうして惹かれ合うようになったのかが、今一つよく分からない。
心を病んでいたり、人種差別に遭っていたりするだけで、互いに恋愛感情を抱くようになるとは、とても思えない。
彼女の過去に何があったのかが明確に描かれないことも、そうした分かりにくさを助長させている。
2人は、比較的早い時期に肉体関係になるのだが、もしもプラトニックな関係であったならば、傷ついた男女の再生の物語として、もっと清々しい感動を味わえたのかもしれない。映像が美しいだけに、少し残念に思ってしまった。
それにしても、ラストの「チャンス」も取って付けたようだし、映画館を舞台にする必要はあったのだろうか?
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