劇場公開日 2022年10月28日

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「勝手に期待した結末を軽々と飛び越える衝撃的なサスペンス」君だけが知らない よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0勝手に期待した結末を軽々と飛び越える衝撃的なサスペンス

2022年12月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

登山中の転落事故で重傷を負ったスジンは記憶を失ってしまうが、夫ジフンの献身的な介護もあって無事退院し日常生活は取り戻すことが出来たものの記憶は依然戻らないまま。ある日近所で見かけた少女が気になったスジンは何となく後を追うが、少女がトラックに撥ねられそうになるイメージが脳裏をよぎり困惑する。その後も予知夢とも幻覚ともつかないイメージが見えるようになったスジンはある事件のイメージを見てしまい・・・。

というのが物語のツカミ。日常生活を送れても記憶がないため自分に近づいてくる人達が言っていることが本当のことなのか判らない。当然ジフンが夫であることすらにも確信が持てない。ジフンの不可解な行動、突然脳に湧いてくるイメージ、アパート内で起こるDV事件、近所で何度も出会う少女といった断片がある事実で一直線に繋がる展開は勝手に期待していた結末を軽々と飛び越えて行き、スジンの自宅を訪れたチョ刑事が壁に飾られた写真の中に見つけた違和感への答えがさりげなく添えられたところで思わず号泣させられました。この衝撃は全然ジャンルは違うものの『ダークシティ』の終幕後とよく似た深い余韻を残します。『ぼくのエリ』へのオマージュが滲んだポスターイメージだけで絶対観ると決めていましたが、物語の深いところで「ぼくのエリ』への憧憬を見た気がしました。すなわち大傑作です。

語りたいことは山ほどありますが興醒めになるのでカット、本年度ベスト級の傑作サスペンスです。

よね