「福田作品の中でも手の込んだ映画なのでは」ブラックナイトパレード ニンフィア好きさんの映画レビュー(感想・評価)
福田作品の中でも手の込んだ映画なのでは
福田雄一監督作の観賞は「銀魂」以来ですかね。漫画、アニメの実写作品を代表する監督の一人である福田監督ですが、毎度毎度手の込んだ脚本にしますよね。時にはそれが仇となることもあるでしょうが、今作は素直に面白かったといえると思います。原作に関しては無知ですが、笑えるところもあり、少しばかり切なくもあり、いろんな要素が入れ込まれた映画でした。ストーリーはもちろんですが、吉沢亮を始めとした俳優陣がいい味を出してくれたと思います。
近頃は「キングダム」みたいにカッコいい役柄のイメージが強い吉沢亮ですが、今作のような冴えない役もいいですね。受験も就活も上手くいかず、アルバイトばかりの生活を送る青年がある日突然サンタクロースの仕事をすることになるというハチャメチャな展開に戸惑う様子をうまく表現してくれたと思います。彼を取り巻く人たちもクセ強キャラで面白いです。それが橋本環奈、渡辺圭祐、中川大志というのもグッドです。橋本環奈はもう福田作品の常連ですね。同じく福田作品常連の佐藤二朗ももちろんセットで、それだけでもなんだか笑えてきますね。ストーリーも良かったです。笑えるというのはやっぱりいいことですね。キャラクターのやり取りがコントのようで、それでいて真面目なシーンもあり、福田監督特有のコメディ演出がよく盛り込まれていました。ただただバカっぽく表現するわけではなく、ちゃんとハチャメチャ感は残しつつ考えられたストーリーだなっていうのを感じさせてくれます。コメディ作品とはいえ、なんだか切なくなるようなところもあり、いくら冴えない人でもちゃんとした生い立ちや育った背景を描いていて感動しました。後半はハチャメチャ要素の方が強かったですね。
福田監督は「銀魂」を成功させてますし、十分秀逸な監督といえると思うので、これからもたくさんの面白い映画をお待ちしています。