「今回は突然終わったね」東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
今回は突然終わったね
コミックやアニメで大人気。様々な媒体ともコラボ。
2021年に公開された実写版も大ヒット。その続編。
ただの続編ではなく、6月公開予定の後編と2部作構成。製作側の自信のほどが窺える。
前作が意外な面白さだったので、ちと今回は劇場で観てみようかと。
ヤンキー物にほとんど興味を抱かない私が進んで劇場に観に行くなんて、自分でもびっくり稀有な事!
そう、前作が意外な面白さだったのだ。
フツーのヤンキー物かと思ったら、タイムリープSF要素と掛け合わせ。
『クローズZERO』×『バタフライ・エフェクト』とでも言うべき。
設定や題材は斬新でありつつ、話や展開はベタだが、熱い。
今をときめく若手実力派の熱闘。
ヤンキー物なんて…と、ちょっと偏見していた私すら彼らに完敗した。
一応前作はあれはあれで完結した感もあった。運命を変えた。
しかし、まだ謎めいた部分や意味深なキャラがいるのも事実。
タイムリープあるある。運命に抗って全てがハッピーエンドになるとは限らない。再び運命は…。
ヒナタが生存した“今”。
そこに幸せを見出だし始めたが…、あまりにも残酷。再びヒナタが…。
しかも、タケミチの目の前で…。
ヒナタの命を奪ったのは、またしてもトーマン。
全ての最悪は回避されたのではないのか…?
なのに何故、トーマンは凶悪化したままなのか…?
何故またヒナタが死ななければならないのか…?
絶対に逃れられない運命なのか…?
いや、違う。
万に一つでも、ヒナタが生き続ける“今”が絶対ある。
その為なら、何度でも何度でも運命を変えてやる。
それには、俺がトーマンのトップになる。
馬鹿なんですか?
ああ、馬鹿だよ。馬鹿まっしぐらがタケミチなのだ。
変えた筈のトーマンに何があったのか…?
ある人物に話を聞く為、“面会”。
一体何故、何がどうして…?
死刑囚として収監中のドラケン。
彼の口から発せられたのは、キサキ。
奴がトーマンとマイキーを今の姿に…。
怒りと憎しみに身体を震わせるドラケン。
警告めいた言葉を掛けられるが、タケミチの覚悟は決まった。
マイキーとキサキの接触を阻止する。
再び過去へ。まだ誇り高かったトーマンと、マイキーやドラケン。
集会。三番隊長任命式。
そこで任命されたのは…、例のキサキ。ライバルグループ“バルハラ”から移籍。
さらにそこに姿を現したのは、一番隊長の場地。かなり気性が荒く、騒ぎを起こし、トーマンを脱退する。
そんな場地とマイキーは幼馴染み。トーマン創設のメンバー。
マイキーは場地に戻ってきて欲しいと願っている。その役目を、タケミチに託す。
タケミチもお願い。場地をトーマンに戻せたら、キサキを脱退させる。
単なる口約束ではない。命を懸けた交換条件。
今回のタケミチのミッションは、本当にインポッシブル。
ヒナタを救う。
トーマンのトップになる。
キサキを阻止する。
場地をトーマンに戻す。
いや、絶対無理。でも、やらねば。
そんなタケミチを、一人の青年が訪ねてくる。バルハラのメンバー、一虎。
バルハラの集会へ連れて行かれる。そこでは今、場地をメンバーに加えるか審議中。
場地は自身の側近をボコり、本気度を示す。こんなクレイジーを戻すなんて、絶対無理…!
元トーマンは場地だけではなかった。一虎も。
二人は、トーマンをマイキーを憎悪している。
彼らの過去に、何があったのか…?
今回はトーマン創設と創設メンバーのドラマ、彼らの決別の経緯が主軸。
マイキー、ドラケン、三ツ谷、パーちん、そして場地と一虎。この6人からトーマンは走り出した。
毎日のようにツルんでいた。固い友情。それは永遠の筈だった。
それにビビを入れたのは、自ら招いた愚かさ。
マイキーの誕生日にイカすバイクをプレゼントしようと、ある所からバイクを盗もうとする場地と一虎。そんな事をしてマイキーが喜ぶ訳ないが、彼らは愚かな行動をしてしまった。
そしてそれは、最悪の悲劇へ…。
見つかり、その人物を一虎は殴打。殺してしまう…。
その男を見て、場地は絶句。場地は彼を知っていた。その男は、マイキーの兄だった…。
前作でマイキーが話していた。
強くもないのに、どんな相手にも立ち向かっていく。マイキーにとってそんな兄は憧れだった。
が、その兄は死んだ。
まさか親友に殺されたとは…。
マイキーが二人を憎むのならまだ分かる。
それでもマイキーは戻ってきて欲しいと願っている。罪を憎んで人を憎まずと言うか、それがマイキーなのだ。
が、憎んでいるのは寧ろ…。
全てマイキーの為にした事。
マイキーの為を思って。
だから…、マイキーがやらせた。マイキーが悪い。
マイキーが憎い…。
この一虎の心情。はっきり言って、理解に苦しむ。
自分の愚かさが招いた悲劇なのに、そうさせたのは相手が悪い。大切な身内の命を奪っておいて、よく言えたもんだ。
が、“可愛さ余って憎さ百倍”という言葉もある。
情が深ければ深いほど、それが反転した時、闇は深い。
一虎だけ少年院に入り、罪を被った。一虎に俺は助けられた。
一虎が出所してきた今、二人でトーマンとマイキーを潰す。
場地の動機の理由がちと弱いが、トーマンの悲しい過去。親友との対峙…。
男たちの関係性は友情や対立を超えて、もはやほんのりブロマンス的だ。
それを体現した若手実力派たちの熱血アンサンブル。
続投の北村匠海、吉沢亮、山田裕貴らに加え、
永山絢斗、村上虹郎が新参戦。
前作では顔見せ程度だった間宮祥太朗、清水尋也の動向から目が離せない。
スリリングな睨み合いを見せる中、高杉真宙との“タメバトル”はユーモラス。
にしても、またまた殺されてしまう今田美桜の薄幸っぷり。可憐故か。
前作で素晴らしいまでの憎々しさを見せてくれた鈴木伸之も勿論出演。
本当によくぞこれだけの売れっ子若手を揃えたもんだ。
前作も前作でキャストは多かったが、新キャストも増え、それぞれ派閥や過去が交錯し、なかなか複雑化。
また今回ドラマ展開がメイン故、前作のような熱い展開とアクションを期待したらちょっと物足りないかもしれない。
でも何より衝撃だったのは…
調べていく内に、バルハラの企みが蠢いている事を知る。
キサキは今もバルハラと繋がっている。
バルハラのトップ、ハンマと結託して…。
…いや、ハンマはバルハラのトップではない。
バルハラにトップは居ない。が、再び“今”に戻ったタケミチは、ドラケンの口から驚くべきバルハラのトップの名を聞く。
バルハラのトップは…。
そしてその男が、一虎を殺した…。
そこでトーマンは敗北した…。
いよいよ物語が加速する…って所で、今回はそこで終わり。
エ~ッ!? ウソでしょ!?
何やら見た人たちから色々言われているが、確かにそう。
何この中途半端感。尻切れトンボ感。良く言って、壮大な前フリ…。
今回は次に向けて、新キャラや経緯の紹介。
まあつまらなくはなかったけど、本当の感想は後編も見た上で。
全てが狂った“血のハロウィン”。
タケミチはまた運命を変えられるか…!?
“決戦”が迫る…。
って言うか、後編も絶対観なきゃいけないでしょーが!