「グラデーション」東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編 運命 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
グラデーション
実写映画としての正解の一つを叩き出した前作から2年弱、物語のまとめ方も綺麗で、これは原作のストック分映画にできるなと思っていましたが、血のハロウィン編はその題材に適していたと思いますし、そこまで長い尺では無い状態での前後編に分けたのは動員の仕方として上手いなと思いました。
今作、前編というよりかは物語の導入部分に近く、アクションシーンが多くあるわけではありません。前作がかなり血みどろなバトルが繰り広げられただけに、映像的な血生臭さは少ないですが、そこを封じてでも物語に集中させたのは好判断だったと思います。
前作で救ったはずのヒナタの命が再び奪われる、しかもアツシが再び絡んでいたというループに陥り、その根幹を突き止めるため、タケミチが学生時代の東京卍會のてっぺんになるために再びタイムリープ…という導入でスタートします。前作での流れもサラッと説明してくれるので初見でも一応大丈夫な配慮はしてあります。
物語構成も前作の流れをなぞりつつ、愛美愛主を倒した後の世界線なので、ある程度登場人物との関係性が出来上がっているのでスッと物語に入り込めます。
東卍の一番隊隊長・場地が東卍を抜ける→場地を芭流覇羅から連れ戻しに向かう→芭流覇羅と対峙する…みたいは感じでスムーズに進んでいき、そこで一虎や半間と出会い、芭流覇羅の本当の姿を知っていく…というワクワクさせてくれる導入が良かったです。
タケミチと同級生のポジションの東卍メンバーがいなかったので、ここでの千冬の登場は物語に活気を与えてくれて良かったです。少し抜けた真っ直ぐなバカなキャラクターがとても好みでした。
東卍が分裂した理由に、マイキーの兄の死が関わっており、そこから物語が急加速していき、そのトップスピードのまま後編へと繋がる流れには手に汗握る熱さと哀しさが同時に存在していました。エンドロール後の決意の瞬間、カッコ良すぎました。
キャスト陣がとにかくハマっているのも素晴らしくて、村上虹郎さん演じる一虎の雰囲気が特に大好きでした。豪華俳優陣総集結なので、絵面のインパクトもさることながら、血が流れる中でもそのキャストの輝きをより際立たせる撮り方にも感心しました。
後編だとキャラクターの本性がガガっと出てくるので、より濃いものが楽しめると思うとワクワクが止まりません。
主題歌も前作に続いてSUPER BEAVERの「グラデーション」が映画の締めに相応しい楽曲になっていました。
"それはごめんねに込めた ありがとうのよう ありがとうに込めた ごめんねのよう"
このサビに映画の全てが詰め込まれているようでした。やはり主題歌はとても大事。SUPER BEAVERにも感謝は尽きません。
1本の映画としてはやや物足りなさを感じますが、後編が気になって仕方ない!という風に思わせてくれたのはさすがですし、全部1本にまとめると200分は超えそうだったので、前後編での公開は興行的にも良い判断だったと思います。あと2ヶ月も焦らされるのは中々キツいですが、心待ちにしたいと思います。
鑑賞日 4/22
鑑賞時間 19:15〜20:55
座席 A-2