「息子役の子、これからが楽しみです。」The Son 息子 Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
息子役の子、これからが楽しみです。
この監督には、前作の「ファーザー」と同様、手の平の上を転がされているような感覚になりますね。
前回は、認知症の父親と向き合う娘の話でした(ご存じ、アンソニー・ホプキンスが主演男優賞を受賞)。
今回は、思春期の息子と向き合う父親の話。
前妻と暮らす17歳の息子が、悩みを抱え、父を頼って同居する事になるのですが。
この映画の親と子のすれ違いが切ない。
その一つ一つが、胸に刺さるようでした。
「生きるのが苦しい」と泣きながら訴えるニコラスの深い心の闇は、本人にしかわからない。
両親は心から息子のことを愛しているのに、うまくいかない。
今回は祖父役のアンソニー・ホプキンス。
年老いてもなお強気で、息子を精神的に支配したい蛾の強さに唖然としながら・・・
この父親を持つ息子のヒュー・ジャックマンも、相当親子間に確執があったことが容易に想像がつく。
血の繋がりのある親子でも、理解し合えないことがある。
愛し合えるとは限らない。
そして、救えるとは限らない。
むしろ、近い存在だからこそ、ひどく傷つけてしまうことも多い。
「あなたの為にしている」つもりの事が、実は自分のエゴなのかもしれない。
私も子をもつ母として、身につまされた。
私はただ、素直に、娘が幸せでいてほしいと願うばかり。
たとえ、もし、私の事が大嫌いであってもいい、
とにかく子供が、この世界のどこかで、自分らしく、笑顔で暮らせたら。
生まれたことを後悔せずに生きてくれたら。
もうそれでいいと思った。
今回のヒュー・ジャックマンとても良かった。
数年後に泣き崩れる姿に涙が止まらなかった❗️
子育てに悩んでいる人は何かのヒントがあるかも。
お勧めです。