劇場公開日 2023年3月17日

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The Son 息子のレビュー・感想・評価

全97件中、1~20件目を表示

3.5柔らかな和音と悲しみの不協和音が交互に響きわたる

2023年3月30日
PCから投稿

複雑な感情が入り混じり、柔らかな和音と悲しみの不協和音が交互に響きたわたる映画だ。興味深いことに本作は、親子3世代それぞれの関係性を描くことによって、一方の側に光を当てると、自ずともう一方が浮かび上がる構造を持っている。すなわちヒュー・ジャックマン演じる主人公は、表向きは順風満帆のミドルエイジでありながら、今なお父(とある名優が演じる)の前ではどこか自分をさらけ出せない息子のままであり、かと思えば、自らもまた「ああはなりたくない」と思い続けてきた父と同じ態度を息子に対して取ってしまって愕然としたりもする。親との間にわだかまりを持ち、なおかつ息子のことも理解できない彼は、結局”自分”のことすら十分に知り尽くせぬまま人生を重ねた人間なのかもしれない。かくも戯曲ならではの立体的な関係性や練られたセリフ、俳優陣の名演に心動かされる。ことの原因に気づきながら何ら打つ手のない大人たちがひたすら哀しい。

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牛津厚信

4.0「心の病」と「人生の選択」をめぐる疑似体験

2023年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

フロリアン・ゼレールの初監督作「ファーザー」が父と娘の関係を主軸に据えたように、監督第2作となる「The Son 息子」は息子とその父の関係が中心となる。ただし「ファーザー」が認知症を患った主人公の混乱した主観を視覚的なギミックで観客に疑似体験させたのに対し、本作は心を病んだ息子ニコラス(ゼン・マクグラス)の内面に迫るというよりも、父ピーター(ヒュー・ジャックマン)の視点を主軸に、何とか息子の力になりたいと願いながらもままならない過程を客観的に綴っていく。家族内の関係性に限定せず、パートナーや友人など大切な誰かが心を病んだら、自分はどうすべきなのかを問う思考実験として鑑賞することもできるだろう。

映画に進出する前に劇作家として成功したゼレールは、前作と同じく本作もオリジナルの戯曲を自ら映画化しているが、映画ならではの演出がとりわけ印象深い場面が2つあり、いずれも「陽」から「陰」への転換が恐ろしいくらいに切れ味抜群だ。2回目に出てくるシーンについてはネタバレを避けるため書かないが、第1は、後妻ベス(バネッサ・カービー)と暮らすアパートメントの居間で、トム・ジョーンズの陽気なアップテンポ曲「It's Not Unusual」に乗ってピーターがユーモラスな振り付けで踊り出し、笑顔のニコラスが、さらにベスがダンスに加わるという、多幸感に満ちたシークエンス(YouTubeに「【本編映像:ダンスの後…】『The Son/息子』」というタイトルで公開されている)。だが劇中に流れる音楽がBGMの寂しげなボーカル曲(Awir Leonが歌う「Wolf」)に切り替わると、ダンスの輪から外れたニコラスの表情は……という映像が、息子と親との心の距離を残酷なまでに提示し、観客に芽生えかけた楽観的な予感をばっさりと斬る。

本作にはさらに、人生の不可逆な選択について疑似体験させるはたらきもありそうだ。今クールでお気に入りだったドラマ「ブラッシュアップライフ」(脚本:バカリズム)に、「不倫ってさ、(中略)最後は絶対に誰かが不幸になって終わるでしょ?」という台詞があった。「The Son」のピーターも、離婚と再婚という元に戻すことができない選択をし、そのことをニコラスから非難される場面もある。「ブラッシュアップライフ」は人生を何度も繰り返すというフィクションゆえに選択もやり直せたが、現実の人生では選び直すことのできない重大な決断に直面することが多々ある。「あの時違う選択をしていたら、今頃どうなっていただろう」という誰にもである後悔と虚しい空想を、フィクションの形で実現してくれるのも映画やドラマの効用のひとつかもしれない。

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高森 郁哉

3.5ベテラン映画監督の様なフロリアンのヒューマンドラマ2作目。渋いベテ...

2025年9月11日
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鑑賞方法:VOD

ベテラン映画監督の様なフロリアンのヒューマンドラマ2作目。渋いベテラン俳優を今回も使いアンソニー・ホプキンスが僅かだが共演する。
前作『ファーザー』で第93回アカデミー脚色賞を受賞した映像作家・劇作家のフロリアン・ゼレール監督の2作目。「家族3部作」の2作目にあたる。
『Le Père 父』(2012年)
『Le Fils 息子』(2018年)
『La Mère 母』(2010年)
三部作共に 親と子の関係性、夫婦の葛藤、人間の心の機微を鋭く描き出し、世界的に高い評価を受け各国で上演され、2作品はゼレール自身が監督を務め映画化もされているので3作目も『マザー』として映画化されるのだろうか。

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ナイン・わんわん

3.5そっちか...

2025年6月23日
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鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

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HY

4.0気付かずに繰り返す

2025年6月12日
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鑑賞方法:VOD
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つとみ

3.5同じことを繰り返す

2025年3月26日
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鑑賞方法:VOD
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ジャーニー

4.0私も学校に行かなかったことがあるよ

2024年12月2日
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悲しい

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ぴ

3.5これは重い...

2024年9月15日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

この作品は、公開当時、ヒュー様とハンス・ジマーさんの音楽なので、観に行きたかった
作品。

公開劇場が少なく、タイミングも合わなかったたため見に行けなかった。

配信されていたけど、有料だったため
無料になるまで待っていたしだい。
今回無料だったので、即鑑賞。

ポイントで使えば無料なんだけど、
ポイントは漫画で利用したいので…

何と言うか
親だったら、色々と考えると思う。

子供は親の背中を見て育つ
と言う事なのか…

期待のハンス・ジマーさんの音楽は
ハンス・ジマーさんぽくなく、
重厚な仕上がり

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seiyo

3.5背負投げがキツすぎた。。。

2024年9月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

知的

2023年英仏合作のファミリードラマ。

監督・脚本:フローリアン・ゼレール
主な配役
【ニコラスの父親・ピーター】:ヒュー・ジャックマン
【ニコラスの母親・ケイト】:ローラ・ダーン
【ピーターの再婚相手・ベス】:ヴァネッサ・カービー
【うつに悩むニコラス】:ゼン・マクグラス
【ピーターの父】:アンソニー・ホプキンス

フローリアン・ゼレールによる戯曲『Le Fils 息子』を、『ファーザー』に続いて自ら映画化した。

『ファーザー』も公開時に観たが、
認知症を患った父(アンソニー・ホプキンス)を軸にしながら、「家族」というものの在り方を、リアルかつニヒルに捉えていたが、本作もアプローチは同様だ。

私の感想は2つ。

1つ目:ニコラスの病状と両親の離婚の因果関係

ニコラスが心を病んでしまったことと、
両親の離婚に因果関係があるかどうかなんて、
医者にすらわからない。

もちろん、ニコラスは、両親の離婚についてカウンセラーに話をするし、それは両親にフィードバックされる。
関係者全員が、ニコラスの状態と離婚問題を紐付けて考えたくなるシチュエーションだが、
事実はわからない。

2つ目:ラストシーン

ハッピーエンドに見えたのは「白日夢」だったオチ。
現実世界はそうかもしれない。
でも、夢オチにしないでほしかった。

人間は必ず、罪(業)を抱えて生きている。
老若男女は関係ない。
ニコラスも、両親も、わたしも、あなたも全員だ(笑)。

みんな、
許し合って生きていこうじゃありませんか!

ラストシーンの背負投げがキツすぎたので、
わたしの総評は、☆3.5

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Haihai

5.0身も蓋もないことを言います‥

2024年7月6日
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鑑賞方法:DVD/BD

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しろたろう

3.0鑑賞動機:『ファーザー』10割

2024年5月26日
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鑑賞方法:DVD/BD
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なお

4.5子育ての難しさ

2024年4月27日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

この傷は親の傷。象徴するフレーズ。この映画をみていてると子育ての苦悩がよく伝わる。難しいね。何が正解も分からないし。子供以上に親に同情してしまうドラマだった。最後はまさかの結末。あれ?そっち?って思ったら、やっぱりこっちね。
ファーザーはイマイチでしたが、家族ドラマ第二弾の今作は面白かった!!

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ノブ様

4.0たられば

2024年4月11日
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ヒュージャクマン、バネッサカービー、ローラダーンと豪華な顔ぶれ。離婚した親の子がうつ病に?!思春期だから色々あるのは当然、ただ刹那的な子で理由なんてないのか。

重苦しい内容ながら、飽きずに見れる。結果は予想つくものの、両親の選択に疑問が残る。
先生の「愛では解決出来ない問題」が印象に残る。ヒュー様歳取ったねー、いつまでも応援するよ。

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ken

1.5評価高すぎるのでは?

2024年4月7日
iPhoneアプリから投稿

ヒュージャックマンの父親役,ちょっと期待して見始めた。離婚で置いてきた息子の相談を元妻から受けて,会いに行く。息子は置いて行かれた恨みを忘れてないし、母親ともあまりうまくいっていない。
エリートで自分に自信がある彼が息子を引き取るが,表面的な見方しかできない。結局,何もできずないまま恐ろしい結末を迎えるのだ。
最後にな新しい妻に慰められながら慟哭して終わる。
え?これで終わるのか。信頼して頼った母親のフォローもなければ,自分の何が悪かったかにも気がつかない。
こんなに良い評価なのがりかいできなかった。

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ニョロ

3.5もっと早く

2024年4月4日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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りか

3.5久々の切ない作品

2024年4月2日
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父もかつては息子で、今自分の息子にどう接すればいいのか。
憎む父と同じような言葉を、息子に浴びせているのに気づく場面。
切ないねえ。

息子と母を置いて、家を出たことで。
息子がどれだけ傷ついたか。
「覆水盆に返らず」なんだよね。

後味がざらりとした終わり方、でも大人として見るべきかも。

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ゆき@おうちの中の人

5.0愛だけでは治せない

2024年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

身内が不登校だった経験から言うと、本作の親子の行く末は想像がついてしまう。
一旦不登校になった息子を、せっかちに立ち直らせようとしてはいけない。
医師に病気だと診断されたら、息子が何と言おうと、地道に薬で治療していくしかない。
本作での一番の問題は、両親が離婚、母親とは不仲、父親は再婚という負のスパイラルである。
この状況によって、息子をきちっと見守る存在がいなくなる。
ヒュー・ジャックマン演じる父親が面倒を見ることになるが、妻は乳飲み子を抱え、自分も引く手あまたのエリート弁護士で、きちっと見守る時間がない。エリートであるがゆえに、愛情はあるべき理想の息子像への憧憬に変わり、幼少時代の無邪気だった頃の息子の幻ばかりを追う。
長期間の辛抱を要する治療と見守りを避けて、せっかちにあるべき理想像(息子は小説家を志望していた)を思い描き、息子の突然の陽気な態度に幻惑されて、元の生活に戻れると早合点してしまう。無知のなせる業である。
現実をなかなか受け入れられない両親の錯覚と焦燥が映像を蔽い、時が熟さないままに、事態は急変していく。その冷徹なまでに現実を直視する姿勢は、等身大の家族像に肉薄する、フロリアン・ゼレール監督ならではである。
「愛だけでは治せない」
息子の主治医が言った言葉が、皮肉にも説得力があり的を得ている。

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ジョー

4.0永久保存版🙆‍♂️

2024年3月31日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

子供を思いやる親の気持ちが子供を追い詰める。どうしても気持ちが通じ合えない親と子。心を抉る名作。

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@Jankichi@

3.5息子の本当の気持ちなんて・・・

2024年3月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

父親目線で観るか息子目線で観るかによって
この映画の受け止め方が大きく違う。
映画としては満足したけど
物語としては満足しなかった。
この父親に腹立たしく感じて
気持ちがまったく落ち着かなかった。
所詮息子の本当の気持ちなんて分からない。
典型的なダメな父親のパターンになってしまった。
すごく残念でした。

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tom

4.0悔やまれる、かけられなかった言葉

2024年3月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

「誇りに思う」、
かけられなかったその言葉が、悔やまれる。
父子の関係性は「期待 」が、入るので微妙な関係性になる。

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