劇場公開日 2024年3月29日

「生と死は紙一重」美と殺戮のすべて らまんばさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5生と死は紙一重

2024年4月24日
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鑑賞方法:映画館

好きか嫌いか、で言ったら決して好きな作品ではない。でも、凄いか否かと聞かれれば間違いなく凄いという作品。
オキシ乱用撲滅のために立ち上がった活動家ナンのドキュメンタリーフィルムとしてトレイラーから受けた印象はそのままに。一方でトレイラーでは一切触れていなかった(ように思える)写真家ナンの家庭環境や実の姉に起きた悲劇。一見交わることの無さそうなその2本の筋が、映画の経過とともに少しずつ交わり始め、最後には一つになるという現象は実に見事で美しく、エロさすら感じる。

『人生』ってその人が生を受けてから死すまでの本人主役の一つの壮大な長編劇。でも、時に死して尚、自分以外の人の人生に良くも悪くも影響を及ぼすことがある。影響を受けた人生の主人公は自分が主役であるということを忘れずしっかりとコントロールする術を持たないと翻弄されてしまう……
見応えはあるけど、観ていて苦しさの強い作品。

#映画好きと繋がりたい

らまんば