配信開始日 2022年9月23日

「警官の暴力 ✕ フランスの団地   ガツンとやられる!!!」アテナ とぽとぽさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0警官の暴力 ✕ フランスの団地   ガツンとやられる!!!

2022年9月25日
Androidアプリから投稿

パワフル!エネルギッシュ!! POVではないけど被写体/演者たちとかなり近い距離からまるでドキュメンタリーさながらの没入感ある驚異的な《長回し》で見る者を渦中に放り込む、まるで当事者意識を持って"あなたならどうしますか?"と問われるように。
アテナ!アテナ!アテナ!サツだ、やれ!滅茶苦茶カッコよくて惹き込まれる始まり方に圧倒されてタジタジ魅せられたタイトル出るまでのOPシークエンス。だけど、それは始まりに過ぎなかった…すごい熱量の火炎瓶、花火、盾、なにより混乱。
《団地》= 例えば『憎しみ』や『レ・ミゼラブル(2019年現代劇のほう)』、フランスの低所得層のリアルを知る上で欠かすことのできない象徴。《警官の暴力》に対する暴動の渦中には、被害者の少年の兄たちがいた…。自身も警察官であるアブデルと暴動を扇動するカリム(そして犯罪者の異母兄)。それぞれの"正義"がぶつかり合う!!?
ここを出ていけ!誰が弟を殺したのか、その警官たちを突き止めるまで止めない。求めるのは正義!その場合、手段は正当化されるのか?目には目を歯には歯を。弟を殺した警官を連れてこい、でないと警官を殺す。人殺しを連れてこい!
待っているのはなんとも皮肉な結末…そうしたグレーゾーンな深いテーマに対して、本作が見合うだけの答えを与えてくれるかは分からないけど、それを超えて打ち勝つくらいの上述したような表現としての本気がスゴかった!

犯人は警官じゃない、極右の犯行
俺が警官を取り戻す
勝手に関連作品『レ・ミゼラブル』『サウルの息子』

とぽとぽ