劇場公開日 2023年5月12日

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「2回観なきゃ→2回観たので追記」TAR ター mamagamasako2さんの映画レビュー(感想・評価)

4.02回観なきゃ→2回観たので追記

2023年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

6/24 2回目は常館の横浜ジャックアンドベティで
解らないまま進行していった1回目の鑑賞に対し
今回は余裕で詳細を確認しに行ったつもりが
知れば知るほどこの作品には一瞬のスキもないことに気付き全く気が抜けなくなった

まず前半の音楽に対する姿勢や考え方そして悦び
オーケストラと指揮者の関係性などが対談や授業風景やリハーサルでものすごく発信されているのでオケファンとしてはぐいぐい引き込まれる そして
後半は不穏な空気がいっぱいになり転がって行く
神経質でストイックな反面、感情に素直なターは
若い女性演奏家にすぐ惹かれる、それが問題を増やしているようだ
しかし偏見で逆差別かもだけどやっぱり女性の方が能力高い
あたしも能力の高い集中力のある女を見ると惚れ惚れする
レズビアンじゃないけど惚れる
ケイト・ブランシェットの演じることへの執念にも惚れる

ターのパートナーが女性コンサートマスター(コンサートミストレス)でもあるというシチュエーション
目配せが本当に女房然としていて素晴らしい演技
異性でも同性でも同じなんだな浮気される奥さんの気持ち、心配。。。
女房の助言通り行動していればこんな転落はしなかっただろう

歴史と芸術文化の積み重なったクラシック界と
SNSで育った若いアーティストとのギャップが面白いところで
バッハを性的理由で避けて音楽を学ぶ学生がいたり
SNSでハラスメントを訴えたり
ロシアの若いチェロ奏者がデュプレの演奏に影響を受けたそうだが
Youtubeで見たエルガーのチェロ協奏曲はデュプレといえばバレンボイムと
誰でも想像つくが若い奏者は「指揮者?誰か知らない!」と言い放ったところが一番あたし的にウケた

オカルト的な場面がちょくちょくあって混乱させられたけど
結果何の関係もなくそれはただのエンタメ要素であったし
よくよく見るとターに致命的な蛮行はなかった
本当に音楽とその作曲者を心から愛する人だったと二度目の感想

とにかくターを演じるケイト・ブランシェットがすごい!!

1回目のレビュー
ほとんど説明なく進行し
じわじわと傲慢なターの裏側から崩れて行く様
この大きな流れを
緊張感のある2時間半の作品全体をあれこれ考えず味わう
すべてはケイト・ブランシェットの演技に釘付け………

名曲大曲であれば同じ曲でも指揮者でぜんぜん出来上がりが違うし、この指揮者のはイライラする、とかグッと来るとか、自分の好みではあるけど
あたしはそれくらいの並のクラシックファンです、1年に数回はオケを聴きに行くくらいの
なのでターの曲に向かう姿勢やこだわり
奏者と観客への指揮の見せ方
それを全てカッコよくケイトブランシェットは表現してくれてるので痺れる

あとはターのプライベートに関して
よくわからなった部分をもう一度観たら完璧

mamagamasako2