劇場公開日 2025年5月2日

「殴るではなく抱きしめる」サンダーボルツ* ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 殴るではなく抱きしめる

2025年8月31日
iPhoneアプリから投稿

マーベルユニバースのフェーズ4か5か等はあまり気にしておらず、シリーズ自体への思い入れもそこまではない。ドラマシリーズなどの展開にも追いつけず、作品数の数だけ供給されていくヒーローは飽和状態。本作はそんなヒーロー映画に懐疑的な私のような人こそ刺さる話になっていた。

カメラワークやワンショット等工夫を凝らしたアクションシーンもあり見応えも十分。
サンダーボルツ改めてニュー・アベンジャーズのメンバーも負け犬揃いということで共感を呼ぶ。
特に幸の薄い役柄が多かったフローレンス・ピューこそがハマり役であり説得力のあるキャラクターだった。

造られた完全無欠のスーパーヒーローが闇堕ちをする。
この敵の攻撃もユニークで人を殺すのではなく闇に引きずり込むという(どういう仕組みなのかは置いといて)、結局力には力で対抗していた今までのヒーローでは実質倒すことの出来ない敵として素晴らしい設定だった。

彼を物理的に倒したのでは、闇に引きずり込まれた人々は助けられなかっただろう。

そんな彼らをニュー・アベンジャーズと名付けお披露目するラストも「アイアンマン」的なノリに回帰するようで、少し懐かしかった。

ヘルスポーン