「個人的好みの問題だけ」キャプテン・アメリカ ブレイブ・ニュー・ワールド つとみさんの映画レビュー(感想・評価)
個人的好みの問題だけ
MCUのドラマ系は観ていないので、主人公サムのキャプテンアメリカを初めて見ることになる。
スティーブのキャプテンアメリカは、真っ直ぐ突き進む筋肉ヤローで、そんなキャプテンアメリカが好きだったし、キャプテンアメリカという存在のイメージを自分の中に固定させた。
サムが二代目キャプテンアメリカになったわけだが、キャプテン感はあまり感じず、大丈夫かなと「エンドゲーム」のときに考えていた。
考えてみれば当たり前なのだが、キャプテンアメリカは単なる称号だ。ジェームズ・ボンドとは違う。キャラクターが違えば、その人なりのキャプテンアメリカが出来上がる。
そんな観る側の不安や疑念を見透かしたかのように作中では、キャプテンアメリカでいることに少し悩んだり、スティーブとは違うことを殊更アピールしたりしていた。
それが自然とストーリーの中に組み込まれていたのは良い。
スティーブが地を這う重戦車だとすれば、サムは華麗に空を舞う翼。キャプテンアメリカという称号と盾以外は全く別のキャプテンアメリカなのだ。
まあ、キャプテン感はやはり薄いんだけど、別の存在としてしっかり立てている感じはかなりあったと思う。
悩みながらキャプテンアメリカの名に近付いていこうとする、非常に人間臭いサムに好感を持てた。スティーブさんはスーパーソルジャーだったことや正義に対して悩まないことがあって、どこかロボ的だったからね。
あとは、エドワード・ノートンが演じた「ハルク」がちゃんとまだ生きていて(物語だけね)、この作品に繋がっていることに驚いた。てっきり都合悪いから今やってるMCUとは別枠扱いだと思っていたからね。
ついでにサプライズキャラまでいて、ここが個人的に一番盛り上がった瞬間かもしれない。
最後に総評。
この作品に悪いところは特になかった。むしろ褒めるところしかなかった。
それでも、自分がMCUに飽きてしまったからだろうが、面白かったとは言えない。
悪いところはなくとも突き抜け感がなく、特に高揚するところもなかった(サプライズキャストは除く)。
個人的な好みの問題で申し訳ないが星は3つとさせていただく。