「認知症患者と接する音楽療法士のドキュメンタリー映画で、興味深くはあった。」認知症と生きる希望の処方箋 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
認知症患者と接する音楽療法士のドキュメンタリー映画で、興味深くはあった。
野澤和之監督による 2022年製作(110分/G)の日本映画。配給:武蔵野エンタテインメント、劇場公開日:2023年8月11日。
題名以外は全く事前情報無しで観た訳だが、認知症の音楽療法に特化したドキュメンタリー映画で、少々意外ではあった。
舞台は、慢性期医療を担う名古屋市中村区の偕行会城西病院(120床)。そこを中心に音楽療法士の仕事をしている名古屋音大卒の若い女性2人の活動を、主に描いていた。
認知症を歌を歌うことで治療しようとする!?半信半疑というか疑問ばかりだったが、少なくとも患者さんたちはとても楽しそうではあった。日本音楽療法学会という組織もあるらしく、音楽療法士を国家資格にしたいと動いているそう。科学的な臨床効果が不明確な段階で、それは難しいだろうと思うのと同時に、学んだ音楽を活かす道が細いと聞く音大卒の進路の一つになればイイねとは思った。
登場の音楽療法士は、ピアノもギターも巧みで、戦後期の古い歌まで良く知っていて、感心はさせられた。自分が認知症になった時、あの様な若い女性の上手な伴奏で好きな歌を熱唱できたら嬉しいだろうとは感じたし、映画の中であった様にピアノ連弾できたら最高とは感じた。その時、自分は何を歌いたい?、何を弾きたいか?もしかして英語の歌、否やはり日本語の歌?なんて思っていた。そして、その時の音楽療法士のレパートリー曲は、めちゃ膨大になるなとも。
映画視聴後、認知症と音楽療法で英語検索すると、多くのレポートが出てきて少々驚かされた。エビデンスとなる臨床試験結果は未だの様であるが、海外を中心に真剣な研究の対象になっているのは確かな様であった。
認知症が進行中の母のピアノ演奏を、もっと煽てて、やらせるべきかなとも思った。
野澤和之監督、野澤和之プロデューサー、赤間敏孝 上田幸伺 追分健爾 並木秀夫 宮田昌利 吉野ひとみ、協力プロデューサー河野義勝、アカデミックプロデューサー真野俊樹、ゼネラルプロデューサー田寺順史郎、撮影監督堂本昌宏、撮影吉田誠、 葛原圭人、技術協力川口良美 abyss、音声深野千穂、編集平井将人、MA竹山公一郎、音楽合田享生 T&Kプロジェクト、
制作沼澤信明、宣伝デザイン井上正。